北海道新幹線の札幌延伸工事で、トンネルに使用するコンクリートの品質管理試験に不正があったことが明らかになりました。
不正が確認されたのは、北海道後志地方の倶知安町・仁木町・赤井川村にまたがる「二ツ森トンネル」のうち、赤井川村側に位置する明治工区です。
しかし、Googleマップで「二ツ森トンネル」と検索しても、地下を通るトンネルのルートや3つの工区は表示されません。
そこで今回は、鉄道・運輸機構や自治体の資料、Googleマップ、Google Earthなどを照合し、二ツ森トンネルの場所と、不正が確認された明治工区の位置を詳しく見ていきます。
この記事で分かること
- 二ツ森トンネルはどこにあるのか
- 鹿子・尾根内・明治の3工区の位置関係
- 不正が確認された明治工区の場所
- 明治工区と倶知安側の入口
- 工事を担当する施工会社
- コンクリート試験で行われた不正の内容
北海道新幹線・二ツ森トンネルでコンクリート試験の不正が発覚
2026年7月21日、鉄道・運輸機構は、北海道新幹線の札幌延伸に伴う「北海道新幹線、二ツ森トンネル(明治)他」工事で、コンクリートの品質管理試験に不正があったと発表しました。
発表によると、不正が行われたのは、コンクリート1立方メートルに含まれる水分量を測定する「単位水量試験」です。
コンクリート中の水分量は、強度や耐久性にも関係する重要な管理項目です。
試験の際、測定器の圧力調整口を操作して空気量の値を実際より大きく設定し、単位水量が基準値内に収まるよう数値を調整していたとされています。
鉄道・運輸機構が2026年6月12日の現場立ち会いで不正を確認。その後の調査により、それ以前にも同様の行為が2回行われていたことが分かり、少なくとも合計3回の不正が確認されました。
なお、不正が確認されたのは二ツ森トンネル全体ではなく、明治工区の工事です。
出典:鉄道・運輸機構「二ツ森トンネル(明治)他工事におけるコンクリート品質管理試験での不正行為について」
二ツ森トンネルの場所はどこ?
二ツ森トンネルは、北海道新幹線の倶知安駅と新小樽駅(仮称)の間に建設されているトンネルです。
倶知安町字高見付近から仁木町の山間部を通り、赤井川村明治地区へ抜けるルートになっています。
| 名称 | 二ツ森トンネル |
|---|---|
| 区間 | 北海道新幹線・倶知安駅~新小樽駅(仮称)間 |
| 通過自治体 | 倶知安町・仁木町・赤井川村 |
| 全長 | 12,650メートル |
| 新青森起点 | 296km405m~309km055m |
トンネルは地下を通るため、Googleマップ上にはトンネル名や線路が表示されていません。
下の図は、北海道新幹線の計画線や工事資料をもとに、二ツ森トンネルのルートと3つの工区の位置関係を示したものです。
図の黒い線が北海道新幹線の建設ルートです。そのうち、青・黄・赤の破線部分が全長12,650メートルの二ツ森トンネルにあたります。
二ツ森トンネルは3つの工区に分けて建設
二ツ森トンネルは全長が12キロを超える長大トンネルのため、倶知安側から次の3工区に分けて建設されました。
| 工区 | 位置 | 延長 |
|---|---|---|
| 鹿子工区 | 倶知安町側 | 4,780m |
| 尾根内工区 | 仁木町を中心とする中央部 | 4,615m |
| 明治工区 | 赤井川村側 | 3,255m |
新函館北斗方面から札幌方面へ進むと、鹿子工区→尾根内工区→明治工区の順になります。
今回、品質管理試験の不正が確認されたのは、最も札幌寄りに位置する明治工区です。
不正があった明治工区は赤井川村側
明治工区は、二ツ森トンネルの赤井川村側に位置する延長3,255メートルの工区です。
公式資料では、新青森起点305km800m~309km055mの区間とされています。
赤井川村側の入口を出た北海道新幹線は、明治高架橋などの地上区間を通り、札幌方面にある後志トンネルへ向かいます。

Googleマップで見る明治工区側の入口
明治工区側の入口は、赤井川村の国道393号や「道の駅あかいがわ」に比較的近い場所にあります。
二ツ森トンネル明治工区側の入口周辺
ストリートビューで見る明治工区側
ストリートビューでは、国道393号付近から明治工区側の工事現場方向を確認できます。

二ツ森トンネルの倶知安側入口はどこ?
二ツ森トンネルの反対側にあたる倶知安側の入口は、倶知安市街地から北へ延びる北海道新幹線の建設ルートの先にあります。
倶知安駅周辺から北へ進んだ線路は、倶知安町字高見付近で二ツ森トンネルの鹿子工区へ入ります。


ストリートビューで見る倶知安町側
このように両側の入口を確認すると、二ツ森トンネルが倶知安市街地の北側から赤井川村方向へ延びていることが分かります。
明治工区を施工している会社はどこ?
明治工区の工事を受注しているのは、次の4社で構成される特定建設工事共同企業体です。
- 鉄建建設株式会社
- 株式会社ノバック
- 株式会社生駒組
- 株式会社萌州建設
正式名称は、
鉄建・ノバック・生駒・萌州
北海道新幹線、二ツ森トンネル(明治)他特定建設工事共同企業体
です。
鉄建建設は今回の不正について謝罪し、原因究明や再発防止に取り組むと発表しています。
出典:鉄建建設「コンクリート品質管理試験における不正行為について」
どのような不正が行われた?
明治工区では、コンクリート中に含まれる水分量を確認する単位水量試験に、エアメーターを使う方式が採用されていました。
ところが、試験担当者がエアメーターの圧力調整口を操作し、空気量の値を実際より大きく設定していました。
この操作により、計算上の単位水量を小さく見せ、基準値内に収まるよう調整したとされています。
確認された3回の内訳は、次のとおりです。
- 2026年6月12日に現場立ち会いで確認されたインバートコンクリートの試験
- それ以前に行われたインバートコンクリートの試験1回
- それ以前に行われた覆工コンクリートの試験1回
インバートコンクリートはトンネル底部を支える構造で、覆工コンクリートは掘削したトンネルの内側を覆う構造です。
二ツ森トンネルの安全性と開業時期への影響は?
2026年6月12日に不正が指摘された際は、その後に再試験が行われ、基準値内であることを確認したうえでコンクリートの打設が完了したと鉄建建設は説明しています。
一方、過去に施工された部分については、2026年7月15日から、明治工区の覆工コンクリートとインバートコンクリートの全箇所を対象とした確認試験・調査が始まりました。
そのため、現時点では、
- トンネルの安全性に問題がある
- 該当部分を造り直す
- 札幌延伸の開業時期に影響する
と断定できる段階ではありません。
鉄道・運輸機構は、施工済みコンクリートの品質と健全性を確認しており、今後の調査結果が注目されます。
注意点
不正が確認されたことと、施工済みのトンネルが直ちに危険であることは同じではありません。安全性については、鉄道・運輸機構などによる確認結果を待つ必要があります。
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まとめ
今回は、北海道新幹線の札幌延伸工事でコンクリート品質管理試験の不正が確認された、二ツ森トンネルの場所について調べました。
- 二ツ森トンネルは倶知安町・仁木町・赤井川村にまたがる
- 全長は12,650メートル
- 鹿子・尾根内・明治の3工区に分かれている
- 不正が確認されたのは赤井川村側の明治工区
- 明治工区の延長は3,255メートル
- 受注者は鉄建・ノバック・生駒・萌州の共同企業体
- 少なくとも3回、単位水量試験の数値を調整する不正があった
- 施工済みコンクリートの健全性は現在確認中
Googleマップには地下を通る二ツ森トンネルの名称やルートは表示されていません。
しかし、北海道新幹線の計画線や公式の工事資料、両側の入口を照合すると、倶知安市街地の北側から仁木町の山間部を通り、赤井川村明治地区へ抜けるトンネルであることが分かります。
今後、コンクリートの確認試験や札幌延伸工事への影響について新しい発表がありましたら、追記していきます。


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