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北陸新幹線なぜ桂川案?京都駅南北案・東西案と建設費・距離・工期を比較

北陸新幹線なぜ桂川案?京都駅南北案・東西案と建設費・距離・工期を比較 ニュースな場所
北陸新幹線なぜ桂川案?京都駅南北案・東西案と建設費・距離・工期を比較

北陸新幹線の敦賀駅から新大阪駅までの延伸計画をめぐり、京都市内の新駅をJR桂川駅周辺に設ける「桂川案」が選定されました。

しかし、現在の京都駅に直接乗り入れる案もあったため、

  • なぜ京都駅ではなく桂川駅周辺なのか
  • 桂川案は本当に安いのか
  • 京都駅南北案や東西案と何が違うのか
  • 利用者にとって不便にならないのか
  • 選定されたら、すぐに工事が始まるのか

と疑問に感じた方も多いのではないでしょうか。

桂川案には、京都市中心部への影響を相対的に避けやすいことや、比較された京都市内3案の中でルートが最も短く、概算事業費も最も低いという特徴があります。

一方で、京都駅へ直接乗り入れないことや、在来線への乗換時間が長くなること、工期が約26年と想定されていることなど、課題がないわけではありません。

この記事では、北陸新幹線の桂川案が選ばれた理由を、京都駅南北案・東西案との比較を交えて解説します。

この記事で分かること

  • 北陸新幹線で桂川案が選ばれた理由
  • 桂川案・南北案・東西案の違い
  • 各案の総延長、建設費、工期
  • 京都駅までの乗換利便性
  • 桂川案のメリットとデメリット
  • 選定後もすぐに着工できない理由

桂川案の場所やJR桂川駅、イオンモール京都桂川、阪急洛西口駅との位置関係は、前の記事でGoogleマップを使って紹介しています。

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北陸新幹線で桂川案が選ばれたのはなぜ?

桂川案が選ばれた理由は、単に建設費が安かったからというだけではありません。

大きく分けると、次のような点が比較されたと考えられます。

  1. 京都市中心部での大規模工事を避けやすい
  2. 京都の地下水や文化財への懸念を相対的に抑えやすい
  3. 京都市内3案の中では総延長が最も短い
  4. 比較された3案の中で概算事業費が最も低い
  5. 現行の小浜・京都ルートの枠組みを維持できる
  6. 与党内で合意を形成しやすい案だった

ただし、桂川案がすべての項目で最も優れていたわけではありません。

工期だけを比較すると京都駅南北案の方が短く、利用者の乗換利便性では京都駅へ直接乗り入れる東西案や南北案の方が有利です。

つまり桂川案は、

建設費、ルートの長さ、京都市中心部への影響、政治的な合意形成などを総合して選ばれた案

と捉えるのが適切でしょう。

桂川案・京都駅南北案・東西案の違い

京都市内の駅位置については、主に次の3案が比較されました。

  • 桂川案:JR桂川駅周辺に地下駅を設置
  • 南北案:現在の京都駅付近を南北方向に通過
  • 東西案:現在の京都駅付近を東西方向に通過

3案はいずれも、小浜市付近、京都市内、松井山手付近を経由して新大阪駅へ向かう「小浜・京都ルート」の駅位置・線形案です。

※掲載する場合は、国土交通省・鉄道・運輸機構の出典名と、資料公表時点の想定図であることを明記してください。

3案の比較表

比較項目 桂川案 南北案 東西案
京都市内の駅 JR桂川駅周辺の地下 京都駅付近の地下 京都駅付近の地下
総延長 約139km 約144km 約146km
概算事業費
令和5年4月価格
約3.4兆円 約3.9兆円 約3.7兆円
将来の物価上昇を見込んだ概算 約4.8兆円 約5.2兆円 約5.3兆円
京都市内駅の工期 約26年 約20年 約28年
京都駅在来線までの乗換利便性 約19分 約13分 約11分
主な特徴 最短・最安だが京都駅から離れる 工期が最短で京都駅に接続 乗換利便性が高いが工期が最長

※数値は、国土交通省・鉄道・運輸機構が2024年に公表した同一条件の比較資料をもとにしています。今後の調査、設計、物価、工法などにより変更される可能性があります。

この表を見ると、桂川案は距離と建設費では最も有利ですが、工期と乗換利便性では一番ではないことが分かります。

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桂川案は3案の中で総延長が最も短い

京都市内3案の総延長は、次のように示されています。

  1. 桂川案:約139km
  2. 南北案:約144km
  3. 東西案:約146km

桂川案は南北案より約5km、東西案より約7km短い計画です。

総延長が短ければ、必ず建設費や工期が比例して少なくなるわけではありません。地下駅の深さ、トンネルの施工方法、地質、用地取得、既存施設との交差なども大きく影響します。

それでも、長大なトンネル区間を含む新幹線計画において、ルートが短いことは桂川案の大きな特徴です。

桂川案は概算事業費も3案の中で最も低い

令和5年4月価格で算出された概算事業費は、次のとおりです。

  1. 桂川案:約3.4兆円
  2. 東西案:約3.7兆円
  3. 南北案:約3.9兆円

桂川案は東西案より約3,000億円、南北案より約5,000億円低い試算でした。

さらに、将来の物価上昇を見込んだ比較では、

  • 桂川案:約4.8兆円
  • 南北案:約5.2兆円
  • 東西案:約5.3兆円

とされています。

どの案も非常に大きな事業費ですが、3案の中では桂川案が最も低い計算です。

ただし、これは2024年の公表資料における概算です。資材費、人件費、工法、工期、物価上昇などによって、実際の事業費は今後変わる可能性があります。

工期は桂川案より京都駅南北案の方が短い

桂川案は距離と建設費で有利ですが、想定工期では南北案が最も短いとされていました。

  1. 南北案:約20年
  2. 桂川案:約26年
  3. 東西案:約28年

桂川案は、最も短い南北案より約6年長い想定です。

JR桂川駅周辺にはJR京都線の線路や道路、既存の地下構造物があり、それらを避けながら地下深い場所に駅を建設する必要があります。

そのため、京都駅の中心部を避ける案だからといって、簡単に短期間で造れるわけではありません。

なお、ここでいう工期は、着工が認められてから工事を進める場合の想定です。着工条件を満たすまでの協議や環境影響評価などを含めると、完成時期はさらに先になる可能性があります。

桂川案は京都駅への乗換で不便になる?

利用者にとって最も気になるのが、現在の京都駅へ直接乗り入れない点です。

公式資料に示された京都駅在来線までの乗換利便性の目安は、次のとおりです。

  • 東西案:約11分
  • 南北案:約13分
  • 桂川案:約19分

桂川案の約19分は、桂川駅での乗換時間と、JR桂川駅から京都駅までの移動時間を含めた想定です。

現在の京都駅へ向かう利用者に限れば、京都駅地下に新幹線駅を設ける東西案や南北案よりも不便になる可能性があります。

一方、桂川駅周辺には、

  • JR京都線の桂川駅
  • 阪急京都線の洛西口駅
  • イオンモール京都桂川
  • 京都市西部や向日市方面の道路網

があります。

将来的にJRと阪急を含めた交通結節点として整備されれば、京都駅を経由しない利用者にとって新しい移動経路になる可能性もあります。

ただし、阪急洛西口駅との直接連絡通路や具体的な乗換方法は、現時点では公表されていません。

黄色二重丸:桂川駅、黄色:阪急桂川駅、黄緑:JR西大路駅、赤:京都駅、オレンジ四角:阪急桂駅

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桂川案の新駅は地下約50mになる?

桂川案では、JR桂川駅周辺の地下に新幹線駅を設けることが想定されています。

公表資料では、JR京都線付近の既存地下構造物などを避ける必要があることから、駅が地下約50m級の深い位置になる可能性が示されています。

地下50mは、一般的な建物に置き換えると、おおむね15階前後の高さに相当する深さです。

ただし、正確なホームの深さや位置、駅の階層、出入口、改札、エレベーターなどの詳細設計はまだ公表されていません。

駅が深くなれば、地上からホームまでの移動時間や、在来線への乗換時間にも影響します。

そのため、「JR桂川駅の隣に新幹線駅ができる」と聞くと簡単に乗り換えられるように感じますが、実際の利便性は今後示される駅構造によって大きく変わります。

桂川案は地下水や文化財への影響を避けられる?

京都市内のルート選定では、地下水や文化財への影響が大きな論点になってきました。

京都市中心部には、酒造、京菓子、豆腐、染色など、地下水と深い関係を持つ産業や文化があります。

また、地上には寺社、文化財、歴史的な建造物が数多く存在します。

国土交通省と鉄道・運輸機構は、シールドトンネルが帯水層全体から見れば点のような構造物となるため、地下水をせき止めるものではないとの考えを示しています。

桂川案についても、京都市中心部を大きく横断する駅案に比べ、中心市街地への影響を相対的に抑えやすい案として説明されてきました。

一方、京都市は北陸新幹線計画について、主に次のような懸念を示しています。

  • 地下水への影響
  • 大量に発生する建設発生土
  • 工事車両による交通への影響
  • 京都市や京都府の財政負担

つまり、桂川案が選ばれたからといって、地下水や環境への懸念がすべて解消されたわけではありません。

今後の詳細な調査と、住民に対する分かりやすい説明が必要になります。

なぜ京都駅南北案ではなく桂川案だった?

京都駅南北案には、桂川案より工期が短く、現在の京都駅で乗り換えられるという大きな利点がありました。

それでも桂川案が選ばれた背景には、複数の条件を総合的に判断した結果があるとみられます。

比較 桂川案 南北案
総延長 約139km 約144km
概算事業費 約3.4兆円 約3.9兆円
工期 約26年 約20年
京都駅乗換 約19分 約13分
京都中心部への工事影響 相対的に避けやすい 京都駅周辺で大規模工事

利用者の利便性や工期だけなら南北案に利点があります。

しかし、桂川案は、

  • 総延長が約5km短い
  • 概算事業費が約5,000億円低い
  • 京都駅周辺での大規模な地下工事を避けやすい
  • 中心市街地への影響を相対的に抑えやすい

という点が評価材料になったと考えられます。

桂川案は「利便性だけで選ばれた案」ではなく、費用、環境、施工、政治的合意などを含めた選択だったといえるでしょう。

米原案の方が安くて早いのでは?

北陸新幹線の敦賀以西ルートをめぐっては、東海道新幹線の米原駅へ接続する「米原案」を支持する意見もあります。

米原案には、敦賀駅から米原駅までの建設距離が短く、建設費を抑えやすいという利点があります。

一方で、米原駅で東海道新幹線へ乗り換える場合には、

  • 北陸から大阪方面へ向かう際に乗換が必要になる
  • 東海道新幹線の運行容量やダイヤ調整が必要になる
  • 災害時の代替ルートという新幹線ネットワーク上の効果が弱くなる
  • JR東海を含む関係者との調整が必要になる
  • これまで進めてきた手続を見直す必要がある

といった課題が指摘されています。

また、桂川案・南北案・東西案の比較数値と、米原案の数値は、調査時期や前提条件が異なる場合があります。

そのため、異なる時点の数字を並べて「米原案の方が何兆円安い」と単純比較する場合は注意が必要です。

本記事では、同じ公表資料・同じ条件で比較できる京都市内3案を中心に整理しています。

桂川案のメリット

桂川案の主なメリットをまとめると、次のとおりです。

  • 京都市内3案の中で総延長が最も短い
  • 比較時点の概算事業費が最も低い
  • 現在の京都駅直下での大規模工事を避けられる
  • 京都市中心部への工事影響を相対的に抑えやすい
  • JR桂川駅と接続できる
  • 阪急洛西口駅も徒歩圏内にある
  • 京都市西部の新たな交通拠点になる可能性がある

桂川案のデメリットと課題

一方、次のようなデメリットや課題があります。

  • 現在の京都駅へ直接乗り入れない
  • 京都駅へ向かう場合はJR京都線への乗換が必要
  • 公式比較では京都駅まで約19分を想定
  • 駅が地下深い位置になる可能性がある
  • 在来線との具体的な乗換構造が未公表
  • 阪急洛西口駅との直接接続は未定
  • 工期は約26年と長い
  • 事業費や自治体負担が今後増える可能性がある
  • 地下水、残土、工事車両などの懸念が残る

特に、地上のJR桂川駅と地下深い新幹線駅をどのように結ぶのかは、実際の使いやすさを左右する重要なポイントです。

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桂川案が選定されても、すぐに着工できない理由

桂川案が選定されたとしても、直ちに工事が始まるわけではありません。

整備新幹線の新規着工には、一般に「着工5条件」と呼ばれる条件を満たす必要があります。

  • 安定的な財源の見通し
  • 収支採算性
  • 投資効果
  • 営業主体となるJRの同意
  • 並行在来線の経営分離に関する沿線自治体の同意

また、沿線自治体の財政負担、環境影響評価、地域住民への説明なども必要になります。

京都市は、北陸新幹線を国の重要なプロジェクトと認識しながらも、地下水、建設発生土、工事交通、財政負担などについて慎重な姿勢を示しています。

このため、桂川案の選定は大きな節目ですが、

選定=着工決定=完成時期確定

ではありません。

北陸新幹線の桂川案はいつ完成する?

現時点では、桂川案の正式な開業時期は決まっていません。

公表資料にある約26年という数字は、京都市内の桂川駅工事に関する想定工期であり、現在から26年後に必ず開業するという意味ではありません。

着工までには、

  • 詳細ルートや駅位置の確定
  • 環境影響評価
  • 財源の確保
  • 費用対効果の確認
  • JRや沿線自治体との合意
  • 住民への説明

などが必要です。

これらに要する期間を考えると、完成はかなり先になる可能性があります。

今後、新たな工程や開業目標が正式に示された場合は、記事を更新します。

まとめ|桂川案は安さだけでなく中心部への影響などを総合して選ばれた

今回は、北陸新幹線で桂川案が選ばれた理由を、京都駅南北案・東西案との比較を交えて解説しました。

主なポイントは次のとおりです。

  • 桂川案はJR桂川駅周辺の地下に新駅を設ける計画
  • 京都市内3案の中で総延長が最も短い
  • 2024年公表時点の概算事業費が最も低い
  • 京都駅中心部での大規模工事を避けやすい
  • 工期は南北案より約6年長い
  • 京都駅への乗換利便性では南北案・東西案に劣る
  • 駅は地下約50m級になる可能性がある
  • 選定されても、着工や完成時期はまだ確定していない

桂川案は、利用者の利便性だけを考えれば、必ずしも最も便利な案ではありません。

一方で、総延長、概算事業費、京都市中心部への工事影響、地下水や文化財への懸念、関係者間の合意形成などを総合的に考えた結果、選ばれた案といえます。

今後は、地下深い新幹線駅とJR桂川駅をどのように接続するのか、事業費や自治体負担をどうするのか、地下水や工事への懸念にどのように対応するのかが注目されます。

桂川案の場所や京都駅との位置関係については、Googleマップを使って次の記事で詳しく紹介しています。

参考資料

※本記事は、2026年7月時点で公表されている資料をもとに作成しています。総延長、事業費、工期、駅位置、乗換時間などは今後の調査や計画の進捗により変更される可能性があります。

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