2026年9月21日夕方、東京都目黒区東山の住宅街で、道路沿いの擁壁が大きく崩落しました。
現場の映像では、擁壁とともに土砂や植栽などが道路側へ崩れ落ち、住宅の下の土が大きく露出している様子が確認できます。
「目黒区東山とはどこなのか」「目黒駅の近くなのか」と気になった人も多いのではないでしょうか。
報道された位置情報と現場映像、Googleマップ、過去のストリートビューを照合すると、現場は目黒駅周辺ではなく、中目黒駅の北西側にある東山1丁目の住宅街であることが分かります。
さらに崩落前の現場を確認すると、この住宅は三方を道路に囲まれ、今回崩落した側では道路との高低差が大きくなり、擁壁も高くなっていました。
この記事のポイント
・崩落が発生したのは2026年9月21日午後5時すぎ
・場所は東京都目黒区東山1丁目の住宅街
・目黒駅前ではなく、中目黒駅から北西方向に約750~800m
・住宅街の擁壁が広範囲に崩落
・けが人は確認されていない
・崩れた土砂などが近くに駐車していた車に接触
・過去のストリートビューでは崩落前の擁壁を確認できる
・現場は高低差があり、崩落した側ほど擁壁が高くなる地形
目黒区東山で擁壁が崩落
警視庁などによると、9月21日午後5時すぎ、目黒区東山で「法面が崩れて駐車場の車がへこんでいる」などと110番通報がありました。
住宅街にある擁壁や法面が崩れ、土砂などが隣接する駐車場に停められていた車に当たりました。
幸い、けが人は確認されていません。
当日の東京都心では24時間雨量が200ミリを超えており、警視庁は大雨の影響の可能性も含めて当時の状況を調べています。
日テレNEWSでは、崩落した壁の高さは約3mで、幅約3mの道路が塞がれていると報じています。
Xには崩落直後の現場映像
今回、現場の状況を知るきっかけとなったのが、Xに投稿されたこちらの映像です。
目黒区東山、たった今大雨で壁面崩落。結構な惨事です
— 庵原太郎 (@1nosuK)
September 21, 2026
映像では、道路沿いの擁壁が大きく失われ、背後の土が露出しています。
植栽なども道路側へ倒れ込んでおり、崩落前の状態からは景観が大きく変わっています。
崩落した擁壁は道路を越え、反対側まで押し寄せる
現場映像を詳しく見ると、崩落の規模が分かります。
崩れた擁壁のブロックや土砂、植栽などは道路上だけにとどまらず、道路の反対側にある住宅や駐車車両のところまで押し寄せています。
特に車両の周辺を見ると、大きな擁壁のブロックがいくつも折り重なるように集積しており、崩落物が反対側でせき止められたような状態になっていることが分かります。
報道でも、崩落によって近くに駐車されていた車が損傷したことが伝えられています。
現場の道路は幅約3mと報じられており、擁壁の崩落物が道路幅いっぱいを越える規模で押し寄せたことになります。
目黒区東山の擁壁崩落はどこ?
現場は東京都目黒区東山1丁目の住宅街です。
テレビ朝日は「中目黒駅から約750m」、TBSは「中目黒駅から北西に約800m」と報じています。
現場映像に写る道路、電柱、住宅、擁壁などをGoogleストリートビューと照合すると、今回崩落した場所は東山1丁目23付近とみられます。
※報道された位置情報と現場映像、Googleマップなどをもとに現場周辺を確認。黒線は中目黒駅との位置関係を示したものです。
「目黒区」でも目黒駅前ではない
ここで注意したいのが、現場の位置です。
「目黒区」と聞くと目黒駅周辺をイメージするかもしれませんが、今回の現場は目黒駅前ではありません。
東急東横線・東京メトロ日比谷線の中目黒駅から北西方向にあり、池尻大橋方面へ入った住宅街です。
広域地図で見ると、目黒駅よりも中目黒駅や池尻大橋駅に近い位置にあることが分かります。
Googleマップで見る現場周辺
なお、住宅地のため、この記事では個人宅に関する必要以上に詳細な情報の掲載は控えます。
崩落前の擁壁をGoogleストリートビューで確認
Googleストリートビューには、今回の崩落前の様子が残っています。
2022年に撮影された画像を見ると、道路に沿って石積み状の擁壁が続き、その上には植栽のある敷地がありました。
現場映像と比較すると、電柱、道路の形状、擁壁、上部の建物などが一致します。
崩落後の映像では、擁壁の一部が失われ、その背後にあった土が露出しています。
また、擁壁の上にあった植栽の一部も道路側へ大きく倒れ込んでいることが確認できます。
住宅は三方を道路に囲まれていた
現場についてさらに確認すると、この敷地は三方を道路に囲まれていることが分かります。
そこで、それぞれの道路側から過去のストリートビューを確認してみました。
角から見ると、敷地が道路より高い位置にあり、石積み状の擁壁が宅地を支える形になっていることが分かります。
別方向から見ると、道路と敷地との高低差は比較的小さくなっています。

建物正面側でも、今回崩落した側ほど大きな高低差は確認できません。
崩落した側は道路が低く、擁壁が高くなっていた
三方向から比較すると、今回の現場の特徴が見えてきます。
住宅を囲む道路は同じ高さではなく、今回崩落した側へ進むにつれて道路面が低くなり、その分、宅地を支える擁壁の露出部分が高くなっています。
つまり、同じ敷地を囲む擁壁でも、場所によって道路から見える高さが大きく異なっていました。
そして今回大きく崩れたのは、道路との高低差が大きく、擁壁が高く露出していた側です。
ただし、この高低差や擁壁の高さが今回の崩落原因だったと確認されたわけではありません。
現時点では、警視庁などが大雨の影響の可能性も含めて詳しい状況を調べています。
Google Earthの3Dで見ると現場の高低差が分かる
Google Earthの3D表示でも現場周辺を確認しました。
上空から斜めに見ると、現場周辺が平坦な市街地ではなく、道路や宅地に高低差があることが分かります。
今回崩落した擁壁は、高い位置にある宅地と低い道路との間に設けられていました。
崩落前のストリートビューと3D表示を組み合わせることで、事故後の映像だけでは分かりにくい「道路―擁壁―敷地―建物」の位置関係を確認できます。
国土地理院で確認すると、この敷地付近だけ大きな標高差
今回の現場でもう一つ注目したのが、周辺の標高差です。
そこで国土地理院の地理院地図を使い、今回の敷地だけではなく、前後の住宅数軒を含む約80mの範囲で標高断面を確認しました。
すると興味深い結果になりました。
前後の区間では比較的なだらかに標高が変化しているのに対し、今回擁壁が崩落した敷地付近では、短い距離の中で標高が大きく変化しています。
断面図では、この付近で約21.7mから約18.6mへ、およそ3.1mの標高差が確認できます。
周囲の住宅を含めて連続的に断面を取ってみると、この敷地付近の落差が特に大きいことが分かります。
これは、Googleストリートビューで三方向から確認した現場の状況とも一致します。
住宅の別の面では道路と敷地との高低差が比較的小さい一方、今回崩落した側では道路面が低くなり、その高低差を受けるように擁壁が高くなっていました。
つまり今回の現場では、「崩落した場所だけ擁壁が高かった」という状況を、ストリートビューだけでなく、国土地理院の標高断面からも確認できたことになります。
なお、この地形的な特徴が今回の崩落原因だったかどうかは、現時点では明らかになっていません。
崩落前の擁壁に「ふくらみ」はあった?
崩落前のストリートビューを詳しく見ると、今回崩れたとみられる部分の一部は、擁壁表面に凹凸があり、道路側へ張り出しているようにも見えます。
ただし、ここは慎重に見る必要があります。
ストリートビューは撮影位置やレンズによる見え方の影響を受けるほか、石材そのものにも凹凸があります。
そのため、画像だけから「擁壁が膨らんでいた」「崩落の前兆があった」などと判断することはできません。
興味深いのは、目黒区が公開している防災資料です。
目黒区は「がけ・擁壁のチェックポイント」として、擁壁の亀裂や水抜き穴の状態などとともに、
という点を確認するよう案内しています。
特に長雨や地震の後には注意して点検するよう呼びかけています。
もちろん、この一般的なチェック項目と今回の崩落との因果関係が確認されたわけではありません。
今回の擁壁の状態については、専門家や行政による現地調査の結果を待つ必要があります。
目黒区では以前から「がけ・擁壁」の安全対策を実施
目黒区は、区内のがけや擁壁について実態調査や安全対策を続けています。
区の「目黒区耐震改修促進計画」によると、1998年から2000年にかけて行われた実態調査では、震災時に安全性が見込まれないがけや大谷石造りなどの擁壁が区内に数多く残っていることが明らかになったとしています。
その後も追跡調査や所有者への維持管理の呼びかけ、改修助成制度などが行われています。
ただし、今回崩落した擁壁が、これらの調査で安全性に問題があるとされた擁壁だったという事実は確認できていません。
あくまで目黒区全体における擁壁対策として紹介しています。
まとめ|目黒区東山の擁壁崩落は中目黒駅の北西側
2026年9月21日に発生した目黒区東山の擁壁崩落について、現場の場所と崩落前の様子を確認しました。
現場は目黒駅前ではなく、中目黒駅から北西方向へ約750~800m離れた東山1丁目の住宅街です。
過去のGoogleストリートビューを確認すると、住宅は三方を道路に囲まれており、今回崩落した側では道路面が低くなるため、擁壁が高く露出していたことが分かります。
また、Google Earthの3D表示からも、周辺に高低差があることを確認できます。
一方で、過去画像から今回の崩落原因や擁壁の安全性を判断することはできません。
警視庁は大雨の影響の可能性も含めて当時の状況を調べており、22日以降は道路管理者と連携しながら崩落物の撤去が進められると報じられています。
新しい情報が確認できた場合は追記します。












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