【9月8日 追記】排水ポンプは作動 矢田川の水位上昇で排水進まず
いわき市鹿島町米田のアンダーパスには排水ポンプが設置されており、冠水が発生した当時もポンプ自体は作動していたことが分かりました。
しかし、排水先となっている矢田川の水位が大雨によって上昇していたため、アンダーパス内の水を適正に排出できなかったということです。
また、市が浸水センサーによって冠水を把握したのは、消防への通報が入る数分前でした。市の担当者が約25分後に現場へ到着した時には、すでに車が水没していました。
いわき市は市内のアンダーパスを緊急点検し、排水設備や浸水センサーだけで対応が十分だったのか検証するとともに、大雨時の事前通行規制を含めた再発防止策を検討するとしています。
2026年9月7日、福島県いわき市で大雨によりアンダーパスが冠水し、複数の車が水没する事故が発生しました。
現場はいわき市鹿島町米田にあるショッピングセンター「エブリア」近くのアンダーパスです。
報道によると、7日午前7時45分ごろ、「車が水没している」などと通行人から119番通報がありました。
水没した車のうち1台から女性が意識不明の状態で救助されましたが、その後、搬送先の病院で死亡が確認されたと報じられています。
この記事では、冠水したアンダーパスがいわき市のどこにあるのかを地図で確認するとともに、国土地理院の標高データを使ってアンダーパス周辺の高低差も確認します。
【この記事のポイント】
・現場は福島県いわき市鹿島町米田
・ショッピングセンター「エブリア」のすぐ近く
・アンダーパス底部付近の標高は地理院地図で約1.33m
・北側道路の約5.62m地点と比べると、約4.3m低いことが確認できる
いわき市でアンダーパスが冠水し車が水没
2026年9月7日、福島県内では浜通りを中心に大雨となり、いわき市内でも道路の冠水や河川の増水が相次ぎました。
この大雨のなか、いわき市鹿島町のアンダーパスで複数の車が水没しました。
消防などによると、午前7時40分~45分ごろ、通行人から「車が水没している」「車が浸水している」といった内容の通報がありました。
少なくとも2台の車が水没し、このうち1台から女性が意識のない状態で救助されました。
その後の報道では、女性は搬送先の病院で死亡が確認されたと伝えられています。
もう1台の車に乗っていた人は、自力で脱出したとされています。
冠水したアンダーパスはどこ?いわき市鹿島町米田
事故が発生した場所について、当初の報道では「いわき市鹿島町」「商業施設エブリア近く」と伝えられていました。
その後の報道では、より具体的に「いわき市鹿島町米田のアンダーパス」と報じられています。
ショッピングセンター「いわきエブリア」の所在地は、
福島県いわき市鹿島町米田字日渡5
です。
現場は、エブリアの東側付近を南北方向に通るアンダーパスとみられます。
※地図は現場周辺を示しています。
現場はいわき市中心部と小名浜の間
いわき市は市域が非常に広いため、「いわき市」と聞いただけでは現場の位置関係が分かりにくいかもしれません。
まず福島県全体で見ると、いわき市は県南東部の太平洋側に位置します。

福島市や郡山市、会津若松市などと比較すると、いわき市は福島県の南東部に位置していることが分かります。
さらに、いわき市内を拡大して確認します。

赤色で示した場所が今回のアンダーパス周辺です。
位置関係としては、いわき市平の中心市街地より南側、小名浜の市街地より北側にあたり、鹿島地区に位置しています。
なぜ水がたまりやすい?国土地理院の断面図で高低差を確認
今回の現場について特徴的なのが、道路がアンダーパス部分に向かって大きく低くなっていることです。
そこで、国土地理院「地理院地図」の標高断面図を使い、アンダーパスを南北方向に横断する形で標高を確認しました。
アンダーパス北側は標高約5.62m
まず、アンダーパス北側の道路付近を確認すると、地理院地図では標高約5.62mと表示されます。

ここから道路はアンダーパスに向かって下っていきます。
アンダーパス底部付近は標高約1.33m
一方、アンダーパスの低い部分付近にカーソルを合わせると、地理院地図では標高約1.33mと表示されました。

北側の約5.62m地点と比較すると、単純な標高差は、
5.62m − 1.33m = 約4.29m
北側道路からアンダーパス底部付近まで
約4.3mの高低差
断面図を見ても、道路がアンダーパスに向かって大きく下がり、底部を通過したあと再び上昇する形になっていることが分かります。
ただし、この高低差だけをもって今回の冠水原因と断定することはできません。
実際の冠水には、短時間の降雨量のほか、排水設備の能力や当時の排水状況など、複数の条件が関係します。
ここでは、国土地理院の標高データからアンダーパス部分が周囲より低くなっている地形的特徴が確認できるという点にとどめます。
いわき市では24時間雨量が約200mmに
9月7日のいわき市では、浜通りを中心とした大雨により各地で道路冠水などの被害が発生しました。
福島県内の報道では、いわき市山田で午前10時30分までの24時間雨量が199.5mmに達し、9月として観測史上1位となったと伝えられています。
また、いわき市は午前8時45分、市内全域を対象に警戒レベル4「避難指示」を発令しました。
低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害などへの厳重な警戒が呼びかけられています。
排水ポンプがあったのになぜ冠水した?原因は矢田川の水位上昇
現場のアンダーパスは、短時間の大雨によって冠水するおそれがある「道路冠水注意箇所」に指定されていました。
いわき市は対策として、アンダーパス内にたまった水を排出するポンプと、水位の上昇を検知する浸水センサーを設置していました。
今回、排水ポンプは停止したり故障したりしていたわけではなく、正常に作動していたとされています。
それでも冠水を防げなかった理由として、市は排水先である矢田川の水位が上昇し、アンダーパス内の水を適正に排出できなかったと説明しています。
つまり、今回の冠水は「排水ポンプが作動しなかった」のではなく、ポンプが動いていても排水先の川へ十分に水を送れない状態になったことが大きな要因とみられます。
浸水センサーで把握した時には冠水が急速に進行
市が浸水センサーによって異常を把握したのは、消防に車の水没が通報される数分前でした。
その後、市の担当者が約25分後に現場へ到着しましたが、その時にはすでに車が水没していたということです。
現場付近では午前6時から8時ごろにかけて雨が強まり、小名浜では午前7時までの1時間に32ミリの激しい雨を観測していました。
短時間で大量の雨水が流れ込み、排水能力を上回る速さで水位が上昇した可能性があります。
いわき市は事前通行規制も検討
いわき市は今後、市内にあるアンダーパスを緊急に点検します。
排水ポンプや浸水センサーなど、現在の設備だけで安全を確保できるのかを検証したうえで、大雨が予想される段階で通行止めにする事前通行規制も含めて再発防止策を検討するとしています。
今回の事故では、設備が作動していても急激な冠水を防げなかったことから、設備による排水だけでなく、車が進入する前に道路を閉鎖する運用が今後の焦点になります。
まとめ
今回は、2026年9月7日の大雨で車が水没した福島県いわき市のアンダーパスの場所について確認しました。
今回確認できたポイント
・現場はいわき市鹿島町米田
・ショッピングセンター「エブリア」近くのアンダーパス
・車が複数台水没し、救助された女性はその後死亡が確認された
・地理院地図では北側道路付近が約5.62m
・アンダーパス底部付近が約1.33m
・両地点には約4.3mの標高差が確認できる
現場の断面図を見ると、アンダーパスに向かって道路が大きく低くなっていることが分かります。
今後、冠水時の詳しい状況や排水設備、事故の経緯など新しい情報が発表された場合は追記します。
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