2026年9月4日、広島県福山市を流れる芦田川に、無断でコンクリート製のスロープが設置されていることが報じられました。
工作物は高さ約1メートル。さらに、すぐ近くには高さ約30センチの別のスロープも確認されています。
ニュースを見て気になるのが、
・この川はどこ?
・スロープを作ったのは誰?
・いったい何の目的で作った?
という3つの疑問です。
この記事では、国土交通省が公表した位置図をもとに工作物がある場所を地図で確認するとともに、設置者や目的について現在判明している情報を整理します。
【結論】場所・設置者・目的は?
■ どこの川?
広島県福山市を流れる芦田川です。工作物の場所は、福山市郷分町地先の「久松床固」付近です。
■ 誰が作った?
2026年9月4日時点で設置者は判明していません。国土交通省が情報提供を求め、設置した人に名乗り出るよう呼びかけています。
■ 何の目的?
目的も不明です。スロープ状の特徴的な形をしていますが、具体的な用途は確認されていません。
芦田川の違法コンクリートスロープはどこ?
まず、現場の場所を広い範囲から確認してみます。
福山市は広島県東部に位置する都市で、岡山県との県境にも比較的近い場所にあります。

福山市と広島・岡山などの位置関係(Google Mapsを加工して作成)
今回の工作物が確認された郷分町(ごうぶんちょう)は、福山中心市街地から見ると北西側にあります。

福山中心街と工作物が確認された郷分町周辺の位置関係(Google Mapsを加工して作成)
国交省が公表した場所は「福山市郷分町地先・久松床固」
場所については推測ではありません。
国土交通省中国地方整備局・福山河川国道事務所が公式Xで位置図を公表しています。
公表された地図には、工作物の場所として、
福山市郷分町地先「芦田川(久松床固)」
と明記されています。
地図を見ると、山陽自動車道が芦田川を横断する地点のすぐ下流側です。
Googleマップで久松床固周辺を確認
国交省が示した場所をGoogleマップで確認すると、こちらの周辺になります。
座標では北緯34度30分32.3秒・東経133度20分43.0秒付近です。
Google Mapsの3D表示で周辺を見ると、芦田川の河道内に久松床固周辺の構造物があり、そのすぐ上流側には山陽自動車道が通っていることが分かります。

国交省の公表位置をもとに久松床固周辺を確認(Google Mapsを加工して作成)
※黄色枠は国交省が公表した位置図をもとに周辺を示したもので、違法工作物そのものの正確な形状・設置範囲を示すものではありません。
ストリートビューでもスロープ状の工作物を確認
国土交通省が公表した場所をもとに周辺のGoogleストリートビューを確認したところ、反対岸側から久松床固周辺を見ることができます。
こちらが現場方向を向いたストリートビューです。
さらに現場付近を拡大すると、久松床固付近に周囲とは形の異なるスロープ状のコンクリート部分が見えます。

反対岸側のGoogleストリートビューから久松床固周辺を確認。黄色枠内にスロープ状のコンクリート部分が見える(Google Mapsを加工して作成)
ストリートビューだけで工作物を断定したわけではありません。
国土交通省・福山河川国道事務所が公表した位置図では、工作物の場所を「福山市郷分町地先・芦田川(久松床固)」としています。上の画像は、その公表地点とストリートビュー上の位置関係を照合したものです。
道路側から現場を見ると土手や草木に遮られる場所もありますが、川を挟んだ反対岸側から見ることで、工作物が設置された久松床固周辺の様子を確認できます。
そもそも「久松床固」とは何?
今回の場所を調べていて、
「久松床固って何?」
と思った人も多いのではないでしょうか。
「床固(とこがため)」は、川底の高さを安定させ、河床が過度に削られることなどを防ぐために設けられる河川構造物です。
ダムのように大量の水をためることを主目的とする施設とは異なり、川底や河川の勾配を安定させる役割があります。
今回問題になっているのは、この久松床固そのものではなく、その周辺に許可なく造られたコンクリート製の工作物です。
どんなスロープ?高さ1mと30cmの2つを確認
テレビ新広島の報道によると、問題の工作物はコンクリート製で、メインとなるスロープは高さ約1メートルです。
表面はなめらかですが、かなり急な角度で造られています。
さらに、すぐ近くには高さ約30センチの別のスロープも確認されています。
自然にできた地形ではなく、コンクリートで意図的に形が造られていることから、「何のために造ったのか?」という疑問が残ります。
誰が作った?設置者は現在も不明
2026年9月4日時点で、設置した人物は判明していません。
福山河川国道事務所によると、工作物について必要な届け出などはなく、無断で設置されたものとされています。
2025年7月、河川調査の関係者から連絡を受けて工作物を確認。
その後、現場の監視や警告看板の設置などを行いましたが、設置者につながる手掛かりは得られなかったといいます。
そして2026年9月1日、福山西警察署へ届け出ました。
判明までの流れ
2025年7月
河川調査関係者からの連絡で工作物を確認
その後
現場監視・警告看板などを設置
2026年9月1日
福山西警察署へ届け出
9月4日
福山河川国道事務所が情報提供を求め、設置者に名乗り出るよう呼びかけ
何のために作った?スケボーやBMX用なの?
映像を見て、スロープ状の形からスケートボードやBMXなどに使う設備を連想した人もいるかもしれません。
特に、高さ約1メートルの工作物だけでなく、すぐ近くに高さ約30センチの別のスロープもあるため、何らかの用途を意識して造られたようにも見えます。
ただし、ここは注意が必要です。
現時点で、スケートボード用・BMX用などと確認された事実はありません。
福山河川国道事務所も工作物を「目的不明」としており、具体的な用途は判明していません。
したがって、形状から用途を推測することはできても、何のために造られたのかを断定することはできません。
なぜ無断でスロープを作ると違法なの?
河川敷は、空いている土地に見えても自由に工作物を設置できる場所ではありません。
河川区域内で土地を占用したり工作物を設置したりする場合には、河川管理上必要な許可や手続きが求められます。
今回について福山河川国道事務所は、届け出などがなく無断で造られた工作物と説明しています。
河川は洪水時に水位や流れが大きく変化するため、勝手に設置された構造物が流れを妨げたり、破損・流出したりすれば、安全上の問題につながる可能性もあります。
そのため、単に「河川敷の空いた場所に小さなスロープを作った」という問題ではありません。
いつ造られた?2025年1月と3月の衛星画像を比較
では、このスロープ状の工作物はいつごろ造られたのでしょうか。
現時点で国土交通省から設置時期は公表されていません。
そこで、現場となった久松床固周辺の過去画像を確認すると、2025年1月と3月の間に現場付近の見え方が変化していることが分かります。
2025年1月の現場

2025年1月の久松床固周辺。黄色枠内が今回の工作物が確認された付近
2025年3月の現場

2025年3月の久松床固周辺。赤枠付近に1月画像とは異なる変化が確認できる。背の高いスロープの方は確認ができない。
過去画像から分かること
2025年1月と3月の画像を比較すると、今回の工作物が確認された場所付近に変化が見られます。
ただし、衛星画像だけから「2025年1月から3月の間に今回の無許可スロープが造られた」と断定することはできません。撮影条件や画像の解像度などによって見え方が変わる可能性もあります。
テレビ新広島の報道によると、河川の調査を行っていた関係者から福山河川国道事務所に連絡が入り、工作物が確認されたのは2025年7月でした。
そのため、今回確認した過去画像は、国土交通省側が工作物を把握するより前の現場の変化を追う資料の一つになります。
設置時期について新たな情報が公表された場合は、過去画像と照らし合わせながら追記します。
なぜ1年以上も設置者が分からない?
もう一つ気になるのが、2025年7月に工作物が確認されてから、2026年9月まで設置者が判明していないことです。
現場を地図で見ると、福山市街地のすぐ近くではあるものの、工作物があるのは一般の道路沿いではなく芦田川の河道内です。
さらにストリートビューでも分かるように、周囲には草木が多く、道路側から工作物を直接見通すことも困難です。
こうした現場環境もありますが、設置者が特定されていない具体的な理由について、国交省から詳しい説明は出ていません。
撤去される?今後どうなる?
2026年9月4日時点では、福山河川国道事務所が情報提供を求めるとともに、設置した人物に名乗り出るよう強く呼びかけています。
現場には設置者に向けた警告看板も設けられています。
今後、設置者が判明するのか、工作物がいつ・どのような形で撤去されるのかについては、現時点では明らかになっていません。
新しい発表があれば、この記事でも追記します。
まとめ|芦田川の謎のスロープは福山市郷分町・久松床固
今回は、芦田川に無断で設置されていたコンクリート製スロープについて、場所や現在分かっていることを整理しました。
- 場所は広島県福山市郷分町地先
- 国交省の位置図では「芦田川(久松床固)」
- 山陽自動車道の芦田川横断部より下流側
- 高さ約1mと約30cmの2つのスロープを確認
- 2025年7月に存在を確認
- 2026年9月1日に福山西警察署へ届け出
- 誰が造ったのかは不明
- 何のために造ったのかも不明
国交省担当者も、河川のかなり中ほどに目的不明の工作物が無許可で設置された今回のケースを特殊な事例としています。
設置者や目的が判明するのか、今後の動きが注目されます。
※本記事は2026年9月4日時点の国土交通省福山河川国道事務所の公表情報、テレビ新広島の報道、公開地図などをもとに整理しています。





コメント