2026年10月11日早朝、ネパール中北部のゴルカ郡で大規模な洪水が発生しました。
土砂や岩石を含んだ激しい流れが住宅や橋を押し流し、現地報道によると5人が行方不明になっています。
ネパールでは8月にも大きな洪水が発生していましたが、今回の洪水は前回とどこが違うのでしょうか。
この記事では、Googleマップの衛星画像を使って、まず2つの洪水の位置関係を比較します。そのうえで、今回の洪水が流れた河川や被害を受けた集落、発生原因について現地報道をもとに整理します。
この記事の要点(2026年10月13日更新)
- 10月11日の洪水は、ネパールのゴルカ郡を流れるブディ・ガンダキ川流域で発生しました。
- 8月の洪水とは異なる場所で発生しており、衛星画像で位置関係を比較できます。
- 現地報道では、ウンギルン川からシャール川を経てブディ・ガンダキ川へ洪水が流れ込んだ可能性が指摘されています。
- 5人が行方不明となり、住宅、橋、水力発電施設などに被害が出ています。
- 土砂崩れによる河川の閉塞と決壊が疑われていますが、正確な発生地点と原因は調査中です。
8月と10月のネパール洪水はどこが違う?
最初に、ネパール北部を広い範囲で見てみます。
今回のゴルカ郡の洪水と、8月に発生した洪水は、どちらもヒマラヤ山岳地帯で起きた災害です。しかし、同じ地点で繰り返し発生した洪水ではありません。
画像の左側には今回調査しているゴルカ郡のブディ・ガンダキ川流域、右側には8月の洪水で被害が報じられた国境付近の地域を示しています。
地図を広域で見ると、両地域が離れていることが分かります。
ネパール北部の洪水という共通点はありますが、発生場所と被害を受けた河川は区別して考える必要があります。
10月11日の洪水はどこ?河川の合流地点と被災地域
次に、今回の洪水が発生したゴルカ郡の山岳地帯を拡大します。
川を示す線を入れます。
画像の青い線は河川の概略、黄色い矢印は合流地点と下流方向、赤い楕円は被災地域の位置関係を理解するためのイメージです。
今回の洪水について、現地報道では、山岳地帯の支流からシャール川を通り、さらにブディ・ガンダキ川へ流れ込んだ可能性が指摘されています。
そのため、被害が報じられた下流の集落だけでなく、上流の支流と合流地点を確認することが重要になります。
ただし、画像中の線や矢印は地理的な説明のための概略表示です。実際の浸水範囲や土砂崩れの発生地点を確定したものではありません。
2026年10月11日のゴルカ郡洪水とは?
現地時間の10月11日早朝、ネパールのゴルカ郡で突然の洪水が発生しました。
大量の土砂や岩石を含んだ水がブディ・ガンダキ川を流れ下り、川沿いの住宅や橋、工事施設などに被害が及びました。
| 発生日 | 2026年10月11日(日)早朝 |
| 発生国 | ネパール |
| 主な被災地域 | ゴルカ郡チュムヌブリ村、ダルチェ村など |
| 主な被災河川 | ブディ・ガンダキ川 |
| 行方不明者 | 5人と報道 |
| 主な被害 | 住宅、橋、道路、水力発電関連施設など |
| 推定原因 | 土砂崩れによる河川閉塞と、その後の水の流出 |
| 正確な発生源 | 調査中 |
現地紙Kathmandu Postは10月11日、住宅35~40棟が流失したとの初期推計を報じています。一方、被害の集計は調査の進展によって変わる可能性があります。
10月12日のロイター通信は、救助活動が続く一方、外国人旅行者を含む多くの人が登山・トレッキングルートの寸断によって足止めされていると報じました。
洪水はどの川を流れた?ウンギルン川からブディ・ガンダキ川へ
今回の洪水で注目されているのが、チュムヌブリ村第6区の山岳地帯を流れるUngilung Khola(ウンギルン川)です。
現地メディアOnlineKhabarによると、この川で発生した土砂崩れが洪水の原因となった可能性があります。
報道で示されている河川のつながりは、次のとおりです。
↓
Syar Khola(シャール川)
↓
Budhi Gandaki River(ブディ・ガンダキ川)
↓
下流の集落・橋・道路などに被害
水力発電会社の関係者による初期の現地確認でも、ウンギルン川からシャール川を通ってブディ・ガンダキ川へ流れ込んだ可能性が指摘されています。
一方で、ウンギルン川の正確な位置や土砂崩れの発生地点については、公開されている地図だけでは確定できていません。
地図上の谷を安易に特定の河川名と結びつけないことが必要です。
被害を受けた集落はどこ?現地の地名を整理
今回の洪水では、上流のチュムヌブリ村だけでなく、ブディ・ガンダキ川沿いの複数の集落で被害が報じられています。
| Chumchet(チュムチェット)周辺 | 上流側の山岳地域。ウンギルン川沿いの家畜小屋の流失と行方不明者が報告された |
| Lokpa(ロクパ)・Chumling(チュムリン)周辺 | シャール川の閉塞が疑われた地域として報道 |
| Jagat Bagar(ジャガット・バガル) | 住宅の流失が報告された地域 |
| Salleri(サレリ) | 住宅の流失や浸水・危険が報告された地域 |
| Paiyu(パイユ)周辺 | 住宅被害が報告された地域 |
| Machhakhola(マチャコラ) | 住宅や橋などの被害が報告された地域 |
| Soti(ソティ)周辺 | 道路橋の流失が報告された地域 |
このように、被害は土砂崩れが疑われる上流付近だけでなく、河川沿いの下流地域にも広がっています。
なお、集落名は被害が報じられた地域を示しており、個々の住宅や橋の正確な座標を意味するものではありません。
行方不明の5人はどこにいた?ウンギルン川沿いの家畜小屋
今回の洪水では、チュムヌブリ村第6区のチュムチェットに住む5人が行方不明になったと報じられています。
OnlineKhabarの10月11日の報道によると、5人はウンギルン川沿いに設けられた家畜小屋に滞在していました。
洪水によって4棟の家畜小屋が流され、家畜にも被害が出たとされています。
この情報は、今回の災害の発生源を考えるうえで重要です。
なぜなら、行方不明者がいた場所は、下流の住宅被害とは別に、上流の支流沿いで直接被害が発生した地点だからです。
ただし、家畜小屋の正確な位置は確認できていません。
土砂崩れが天然ダムをつくった?洪水発生の原因
現地では、山の斜面が崩れ、川を一時的にせき止めた可能性が指摘されています。
土砂や岩石によって川の流れがふさがれると、上流側に水がたまり、天然のダムのような状態になることがあります。
その閉塞部分が崩れると、たまった水が一気に下流へ流れ出す場合があります。
今回も、こうした仕組みによって大規模な洪水が発生した可能性があります。
ただし、報道には発生源について異なる初期情報もあります。ウンギルン川付近の土砂崩れを指摘する報道がある一方、ブディ・ガンダキ川本流の閉塞に言及する報道もあります。
土砂崩れの正確な場所、河川が閉塞した地点、決壊までの経過は、現時点で断定できません。
橋や水力発電施設にも被害 救助活動は続く
今回の洪水では、住宅だけでなく、山岳地域の移動を支える橋にも大きな被害が出ています。
現地紙Kathmandu Postは、ニャクチェットとシルディバスを結ぶ吊り橋、マチャコラ周辺の吊り橋、ソティ周辺の道路橋などが流失したと報じています。
また、水力発電所の建設現場では、工事用の建物や設備が流されたとの情報があります。
山岳地帯では橋や道路が失われると、住民の移動だけでなく、救助隊や支援物資の輸送にも影響します。
ネパール軍などによる救助・避難支援が続けられており、外国人トレッカーの足止めも報じられています。
まとめ|8月の洪水とは場所が違う、今回の発生源は調査中
2026年10月11日のネパール洪水は、ゴルカ郡のブディ・ガンダキ川流域で発生しました。
8月の洪水とは異なる場所で発生した災害であり、広域の衛星画像で比較すると、その位置関係が分かります。
今回の洪水については、ウンギルン川、シャール川、ブディ・ガンダキ川という河川のつながりが現地報道で指摘されています。
一方で、土砂崩れの正確な発生地点や天然ダムの決壊状況など、まだ明らかになっていない部分もあります。
今後、現地当局の調査や衛星画像によって新しい情報が確認された場合は、地図と照合しながら追記していきます。
参考資料・現地報道
- OnlineKhabar:ウンギルン川の土砂崩れと洪水の関係
- OnlineKhabar:行方不明者と家畜小屋の被害
- Kathmandu Post:洪水被害の概要
- Kathmandu Post:橋の被害
- INSEC:10月12日時点の被害状況
- Reuters:10月12日の救助状況
※この記事は2026年10月13日時点で確認できる報道をもとに作成しています。被害数や発生原因は今後変更される可能性があります。掲載する地図の河川線・矢印・被災位置は説明用の概略であり、公式な浸水区域図ではありません。




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