2026年9月16日、大阪府内の学校でスプレーが噴射され、多数の生徒が症状を訴える事件が相次ぎました。
最初に起きたのは、大阪府堺市の大阪商業大学堺高等学校です。
校舎2階の教室でスプレーが噴射され、生徒24人がのどの痛みやせきなどの症状を訴え、7人が病院へ搬送されました。
警察は、高校2年の男子生徒を傷害の疑いで現行犯逮捕しています。
さらにその約4時間後、大阪府貝塚市の貝塚市立第一中学校でも、校舎内の廊下でスプレーのようなものが噴射され、生徒ら24人が病院へ搬送されました。
こちらでも中学2年の男子生徒が傷害の疑いで現行犯逮捕されています。
同じ日に大阪府内の2校で起きた事件ですが、現時点で2つの事件に関連があるとの情報は確認されていません。
そして気になるのは、教室や廊下でスプレーを噴射すると、なぜこれほど多くの人に影響が出るのかという点です。
そこでこの記事では、2つの事件について確認するとともに、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)などの資料から、催涙剤が身体に与える影響や、屋内で被害が広がる理由を調べます。
【9月17日追記】同じ日に貝塚市の中学校でもスプレー噴射
9月16日午後、堺市の事件から約4時間後に、貝塚市立第一中学校でもスプレーのようなものが噴射される事件がありました。
校舎内の廊下でスプレーが噴射され、生徒ら24人が目の痛みなどを訴えて病院へ搬送されました。いずれも軽症とみられています。
警察は中学2年の男子生徒を傷害の疑いで現行犯逮捕しました。
男子生徒は「友達と遊んでいて、遊び半分で噴射した」という趣旨の説明をしていると報じられています。
堺市の高校と貝塚市の中学校で起きた2つの事件に関連があるとの情報は、現時点では確認されていません。
【この記事のポイント】
・午前に大阪商業大学堺高校でスプレーが噴射された
・高校では24人が症状を訴え、7人が搬送
・高校2年の男子生徒が傷害容疑で現行犯逮捕された
・男子生徒はスプレーを自宅の自転車置き場で拾ったと学校側が説明
・午後には貝塚市立第一中学校でもスプレーが噴射された
・中学校でも24人が搬送され、中学2年の男子生徒が現行犯逮捕された
・現時点で2事件の関連は確認されていない
・具体的なスプレーの製品名や成分、噴射量は明らかになっていない
・催涙剤は目だけでなく、鼻・口・のど・肺・皮膚にも影響する
・CDCは影響の程度について、曝露量や時間だけでなく「屋内か屋外か」も関係するとしているttps://hot-letter.com/ja/osaka-school-spray-sakai-kaizuka/
堺市の高校で何があった?
最初の事件があったのは9月16日午前です。
午前10時40分ごろ、堺市中区の高校から「校内で催涙スプレーがまかれた。24人に喉の痛みとせきの症状がある」と119番通報がありました。
警察や消防などによると、スプレーがまかれたとみられるのは校舎2階の教室です。
当時は授業中ではなく、休み時間でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2026年9月16日 午前10時40分ごろ |
| 場所 | 大阪商業大学堺高等学校 |
| 現場 | 校舎2階の教室 |
| 症状を訴えた生徒 | 24人(男子16人・女子8人) |
| 病院搬送 | 7人 |
| 逮捕 | 高校2年の男子生徒 |
搬送された7人を含め、いずれも軽症と報じられています。
催涙スプレー事件があった高校はどこ?
事件があったのは、大阪商業大学堺高等学校です。
学校は大阪府堺市中区堀上町にあります。
大阪商業大学堺高等学校の位置(Googleマップ)
今回の場合、学校そのものより気になるのが、教室という閉じられた場所でスプレーが使われたことです。
24人もの生徒が症状を訴えたのは、なぜなのでしょうか。
男子生徒はスプレーを自宅の自転車置き場で拾った?
事件後、スプレーを男子生徒がどこから入手したのかについて新しい情報が出ています。
テレビ朝日の報道によると、学校側は、男子生徒が自宅の自転車置き場でスプレーを拾ったと説明しています。
スプレーには英語が書かれていたため、男子生徒は何のスプレーなのか分からなかったとされています。
そして休み時間中、教室で試しに噴射したところ、その後、生徒たちが体調不良を訴えたということです。
一方、男子生徒は「遊び感覚でスプレーをまいたら、大ごとになった」という趣旨の説明をしていると報じられています。
警察が入手経路を含め、詳しい経緯を調べています。
今回使われた催涙スプレーの種類は?
ここで注意したいのが、今回使われたスプレーの中身です。
報道では「催涙スプレー」と伝えられていますが、具体的な製品名や化学成分については明らかになっていません。
一般に「催涙スプレー」と呼ばれるものでも、中に使われている刺激性物質は同じとは限りません。
CDCは、催涙剤として使われる化学物質としてCS、CN、CRなど複数の物質を挙げています。また、護身用として使われるペッパースプレーもあります。
したがって今回の事件について、「CSが使われた」「唐辛子由来の成分だった」などと現段階で決めつけることはできません。
どれくらいの量が噴射された?1缶使った?
24人に症状が出たと聞くと、かなり大量に噴射したようにも感じます。
しかし、ここも分かっていません。
男子生徒が何回スプレーを噴射したのか、何秒程度噴射したのか、どの程度の量を使ったのかは明らかになっていません。
そのため、「大量に噴射したから24人に症状が出た」と結論づけることもできません。
催涙スプレーは目だけではない のどや肺にも影響
「催涙」という名前から、目に強い刺激を与えて涙を出させるものという印象があります。
ところがCDCの資料を見ると、影響する場所は目だけではありません。
CDCは催涙剤について、目・口・のど・肺・皮膚などを刺激する化学物質と説明しています。
催涙剤による主な身体への影響。CDC資料をもとに作成
症状としては、目の激しい涙や痛み、鼻水、口やのどの刺激のほか、せき、胸の圧迫感、息苦しさなどがあります。
今回の高校の事件で生徒たちが訴えた「のどの痛み」「せき」も、一般的な催涙剤への曝露で起こり得る症状に含まれています。
なぜ教室で24人に症状が広がった?
今回、特に気になるのがここです。
スプレーが使われたとみられるのは屋外ではなく、校舎2階の教室でした。
CDCによると、催涙剤による影響の程度は、どのくらいの量に曝露したか、どのように曝露したか、どのくらいの時間曝露したかによって変わります。
さらに、曝露した場所が屋内なのか屋外なのかも関係するとしています。
催涙剤の中には、空気中に細かな液滴や粒子として放出されるものがあります。
その場合、目や皮膚への接触だけでなく、空気中の物質を吸い込むことでも曝露します。
教室で影響が広がった理由を考えるポイント
・屋外ではなく教室内で噴射された
・空気中に放出された刺激性物質を吸い込む可能性がある
・目だけでなく、鼻やのど、気道にも刺激が出ることがある
・症状の強さは噴射量、曝露時間、距離、換気状況などによって変わる
CDCは、屋内で催涙剤が放出された場合には建物の外へ出るよう案内しています。
また、長時間または大量に曝露した場合、とくに閉鎖された環境では、より重い影響が起きる可能性があるとしています。
今回24人に症状が出た理由を、スプレーの量だけで説明することはできません。
教室という屋内で噴射されたことも、考える必要があります。
約4時間後、貝塚市立第一中学校でもスプレー噴射
そして同じ9月16日午後、大阪府内でもう一つスプレーを使った事件が発生しました。
場所は大阪府貝塚市加神1丁目の貝塚市立第一中学校です。
午後2時台から3時前にかけて、学校から「スプレーのようなものをまかれた」などと119番通報がありました。
警察や消防によると、校舎内の廊下でスプレーが噴射され、生徒ら24人が目の痛みなどを訴えました。
FNNなどは24人が病院へ搬送され、いずれも軽症とみられると報じています。
警察は中学2年の男子生徒(14)を傷害の疑いで現行犯逮捕しました。
男子生徒は「友達と遊んでいて、遊び半分で噴射した」という趣旨の説明をしていると報じられています。
堺高校と貝塚第一中学校 同じ日に24人ずつ被害
2つの事件を時系列で並べると、偶然とはいえ非常によく似た数字が並びます。
| 項目 | 大阪商業大学堺高校 | 貝塚市立第一中学校 |
|---|---|---|
| 発生 | 午前10時40分ごろ通報 | 午後2時台~3時前に通報 |
| 場所 | 教室 | 廊下 |
| 症状・搬送 | 24人が症状、7人搬送 | 24人搬送 |
| 逮捕 | 高校2年男子生徒 | 中学2年男子生徒 |
| 説明 | 「遊び感覚」だったとの趣旨 | 「遊び半分」だったとの趣旨 |
ただし、ここで注意が必要です。
同じ日に大阪府内で発生したというだけで、2つの事件が関連しているとはいえません。
現時点で、2人の生徒に接点があった、片方の事件を知ってもう一方が行動した、といった情報は確認されていません。
したがって「模倣事件」「連続事件」などと断定することはできません。
実は貝塚市では7月にも中学校で催涙スプレー事件
今回の貝塚市の事件には、もう一つ気になる点があります。
日テレNEWSは、貝塚市では2026年7月にも、中学校で催涙スプレーをまいたとして生徒が緊急逮捕された事件があったと報じています。
つまり今回の9月16日の2件だけを見るのではなく、貝塚市では約2か月前にも学校で催涙スプレーをめぐる事案が報じられていたことになります。
ただし、この7月の事件と今回の事件についても、関連があるとの情報は確認されていません。
催涙剤の症状はどのくらい続く?
CDCによると、一般的には発生源から離れ、身体に付着した物質を除去すると、影響は15~30分程度でおさまることが多いとされています。
ただし、これはすべてのケースに当てはまるわけではありません。
曝露した物質、濃度、量、時間、屋内・屋外などによって影響は変わります。
長時間または大量に曝露した場合には、目や呼吸器などに重い症状が出ることもあるため、「催涙スプレーだから短時間で治る」と一括りにはできません。
スプレーをまいた男子生徒本人に症状は出た?
教室の中で噴射したのであれば、男子生徒本人も刺激性物質に曝露した可能性があります。
ただし、堺高校で症状を訴えた24人の中に、逮捕された男子生徒本人が含まれているのかは確認できません。
病院へ搬送された7人に本人が含まれていたのかについても明らかになっていません。
そのため、男子生徒本人に症状が出たかどうかについては不明です。
なぜ高校2年の男子生徒は傷害容疑で逮捕された?
警察は、高校2年の男子生徒を傷害の疑いで現行犯逮捕しています。
テレビ朝日の報道では、男子生徒は居合わせた生徒2人にスプレーを噴射してけがをさせた疑いで逮捕されたとされています。
一方、学校では男子16人、女子8人の計24人が、のどの痛みやせきなどの症状を訴えました。
つまり、現時点では「24人全員に対する傷害容疑で逮捕された」と確認されているわけではありません。
警察がスプレーの入手経路や噴射した詳しい状況、当時の経緯を調べています。
まとめ
2026年9月16日、大阪府内の2つの学校でスプレーが噴射され、多数の生徒が症状を訴える事件が相次ぎました。
午前に事件が起きた大阪商業大学堺高等学校では、校舎2階の教室でスプレーが噴射され、生徒24人がのどの痛みやせきなどを訴え、7人が病院へ搬送されました。
高校2年の男子生徒が傷害の疑いで現行犯逮捕されています。
さらに約4時間後には、貝塚市立第一中学校の廊下でもスプレーが噴射され、生徒ら24人が病院へ搬送されました。
こちらでも中学2年の男子生徒が傷害の疑いで現行犯逮捕されています。
ただし、2つの事件に関連があるとの情報は現時点で確認されていません。
また堺高校の事件については、男子生徒がスプレーを自宅の自転車置き場で拾い、何のスプレーか分からない状態で試しに噴射したとの学校側の説明が報じられています。
一方、具体的な製品名、成分、噴射回数、使用量などは分かっていません。
CDCの資料を見ると、催涙剤は目だけではなく、鼻、口、のど、肺、皮膚などにも刺激を与え、影響の程度には曝露量や時間だけでなく、屋内か屋外かも関係します。
今回、堺高校では教室、貝塚第一中学校では廊下と、いずれも校舎内でスプレーが噴射されています。
なぜ多くの生徒に症状が広がったのかを考えるうえでは、屋内で刺激性物質が噴射されたことも重要なポイントです。
今後、使用されたスプレーの成分や事件の詳しい経緯について新しい情報が確認された場合は追記します。





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