【この記事の要点】
・危機管理用の新たな国家公務員宿舎は、東京都千代田区九段南2丁目に整備される計画
・場所は千鳥ヶ淵のすぐ近く、内堀通り沿い
・名称は「関東財務局九段住宅(仮称)」
・計画では地上9階、延べ約8,100㎡の宿舎を建設
・現地に残る旧九段住宅と旧農水省三番町住宅1・2号棟は解体される
・新宿舎の整備検討地は約3,859㎡
・背後にある三番町共用会議所の敷地の一部も整備用地に加える予定
・隣接地では2つのマンション工事が進んでいるが、これらは新宿舎の工事ではない
2026年9月10日、佐藤啓官房副長官が、危機管理用として新たに整備する国家公務員宿舎の予定地などを視察しました。
佐藤官房副長官は、年内に防災庁を発足させる中で、災害などの緊急時に職員が速やかに参集するための宿舎整備について「喫緊の課題」と指摘しています。
では、新しい危機管理用の国家公務員宿舎は東京都千代田区のどこに建設されるのでしょうか。
公表されている資料や現地周辺の地図、Google Earthの3D画像などから確認していきます。
危機管理用の国家公務員宿舎はどこ?
新たな国家公務員宿舎の整備が計画されているのは、
東京都千代田区九段南2丁目
です。
場所は皇居の北西側に位置し、千鳥ヶ淵のすぐ近くです。
内堀通りに面した一帯で、周辺には北の丸公園や靖国神社などがあります。
新しい国家公務員宿舎の整備予定地は皇居・北の丸公園の北西側、千鳥ヶ淵近くにあります。
建設予定地は九段南2丁目・千鳥ヶ淵のすぐ近く
建設予定地周辺を拡大して確認します。
報道によると、新宿舎の整備が検討されているのは千代田区九段南2丁目1の約3,859㎡の敷地です。
この一帯には現在、旧九段住宅や旧農水省三番町住宅など、既存の国家公務員宿舎が残っています。
Google Mapsで建設予定地周辺を確認
現在の予定地を3Dで確認
Google Earthの3D表示で現地を見ると、千鳥ヶ淵と内堀通りに挟まれた一帯に、既存の国家公務員宿舎が残っていることが分かります。

千鳥ヶ淵側から見た九段南2丁目の予定地周辺
旧九段住宅と旧農水省三番町住宅の3棟を解体
関東財務局の資料によると、解体対象となっているのは次の3棟です。
| 建物 | 構造・階数 | 戸数 | 建築時期 |
|---|---|---|---|
| 旧九段住宅 | RC造・地上5階 | 20戸 | 1982年11月 |
| 旧農水省三番町住宅1号棟 | RC造・地上2階 | 4戸 | 1980年3月 |
| 旧農水省三番町住宅2号棟 | RC造・地上2階 | 4戸 | 1980年3月 |
3棟の敷地面積は合わせて2,094.52㎡です。
内訳は、
旧九段住宅:924.53㎡
旧農水省三番町住宅:1,169.99㎡
となっています。

青線は解体対象となる旧九段住宅・旧農水省三番町住宅1・2号棟の敷地周辺
新宿舎の予定地は既存3棟の敷地より広い
ここで注目したいのが敷地面積の違いです。
解体される既存3棟の敷地は合計2,094.52㎡ですが、新宿舎の整備検討地は約3,859㎡とされています。
単純に比較すると、
約1,764㎡の差
があります。
これは、既存の3棟を解体して同じ敷地に建て替えるだけではないことを示しています。
報道では、背後にある三番町共用会議所の敷地の一部を分筆し、新宿舎の整備用地に充てる予定とされています。
ただし、現時点で三番町共用会議所の敷地のどの範囲が新宿舎側に組み込まれるのか、明確な境界を示した配置図は確認できていません。
そのため、この記事では新宿舎の約3,859㎡について、独自に境界線を引いて断定することは避けています。
隣の大きな更地は新宿舎の予定地ではない
現地の航空写真を見ると、既存の宿舎のすぐ隣に大きな更地があります。
しかし、この土地は今回の危機管理用国家公務員宿舎の予定地ではありません。
赤線の大きな更地は旧九段坂病院跡のマンション計画地
この大きな更地は、かつて九段坂病院があった場所です。
九段坂病院は2015年に移転しており、跡地では積水ハウスによる大規模な共同住宅の建設計画が進められています。
新しい国家公務員宿舎と隣接しているため、航空写真だけを見ると混同しやすい場所です。
内堀通り沿いの工事現場も別のマンション
さらに、内堀通り沿いでも大規模な工事が進められています。
黄色線の工事現場も危機管理用宿舎とは別のマンション計画
こちらも新しい国家公務員宿舎ではなく、住友商事によるマンション計画です。
つまり、この一帯では現在、
・危機管理用の新しい国家公務員宿舎
・積水ハウスによるマンション
・住友商事によるマンション
という複数の計画が近接して進んでいることになります。
ストリートビューでは工事現場越しに旧九段住宅が見える
内堀通りからストリートビューで現地を見ると、手前の工事現場越しに旧九段住宅などがある一帯を確認できます。
ただし、手前で行われている工事そのものは、今回の新しい国家公務員宿舎の建設工事ではありません。
内堀通り側から見た予定地周辺。手前の工事現場は新宿舎とは別の計画です。
2014年には周辺に多くの建物があった
Google Earthで過去の3D表示を確認すると、2014年6月には現在とは大きく異なる景観だったことが分かります。
2014年6月の九段南2丁目周辺(Google Earth)
当時は現在の大きな更地に旧九段坂病院があり、その周囲にも現在はなくなっている低層建物が複数確認できます。
現在の3D画像と比較すると、この10年余りで九段南2丁目の一角が大きく変化していることが分かります。
新しい「九段住宅(仮称)」は9階建て・延べ約8,100㎡
新たな国家公務員宿舎は「関東財務局九段住宅(仮称)」として計画されています。
現在明らかになっている計画概要は次の通りです。
| 名称 | 関東財務局九段住宅(仮称) |
|---|---|
| 場所 | 東京都千代田区九段南2丁目 |
| 整備検討地 | 約3,859㎡ |
| 規模 | 地上9階 |
| 延べ床面積 | 約8,100㎡ |
| 着工予定 | 2029年度 |
なぜ千代田区九段南に危機管理用宿舎を整備する?
今回の宿舎は、単なる国家公務員住宅ではなく、災害などの緊急時に職員が速やかに参集するための拠点として整備されるものです。
予定地を広域地図で見ると、皇居の北西側に位置し、霞が関や永田町など国の中枢機能が集中するエリアにも比較的近い場所にあります。
大規模災害では鉄道や道路が寸断され、通常の通勤が困難になる可能性があります。
そのため、危機管理を担う職員が政府中枢へ迅速に参集できる場所に宿舎を確保することには、大きな意味があります。
2026年9月10日に予定地を視察した佐藤啓官房副長官も、年内に防災庁を発足させる中、職員の速やかな参集に必要な宿舎整備は「喫緊の課題」との認識を示しています。
まとめ
危機管理用として新たに整備される国家公務員宿舎は、東京都千代田区九段南2丁目、千鳥ヶ淵のすぐ近くに計画されています。
名称は「関東財務局九段住宅(仮称)」で、地上9階、延べ約8,100㎡の規模となる予定です。
現地に残る旧九段住宅と旧農水省三番町住宅1・2号棟は解体されますが、新宿舎の整備検討地約3,859㎡は既存3棟の敷地より広く、三番町共用会議所の敷地の一部も利用される予定です。
また、周辺では積水ハウスや住友商事によるマンション建設も進んでいます。
これらは新宿舎とは別の工事であり、現地を見る際には注意が必要です。
今後、具体的な配置図や完成イメージなどが公表されれば、新宿舎が敷地のどの位置に建設されるのか、さらに詳しく確認できそうです。



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