北海道京極町の農業法人で、在留資格「特定技能」で働くミャンマー国籍の従業員が、暴力やハラスメントを受けたと訴えている問題が報じられています。
2026年8月20日の毎日新聞報道では、問題となっている農業法人の名称は公表されていませんでした。
しかし、その後、事態は大きく動いています。
共同通信は8月21日、ミャンマー国籍の男女6人が働いていた農場について、農業法人「MTアグリ」が運営する農場と法人名を挙げて報じました。
さらに8月24日には、農場で働いていたミャンマー国籍の男性が、農業法人を実質的に運営しているとされる京極町議会議員とその次男について、傷害・暴行の疑いで刑事告訴したことも報じられています。
一方、この農場と同じ住所に所在する別の農業法人は2022年3月、「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」を理由として、技能実習計画の認定を取り消されていました。
そこでこの記事では、2022年の行政処分から2026年8月の入管調査、ミャンマー人労働者6人の保護、刑事告訴まで、現在確認できる情報を時系列で整理します。
この記事の要点
- 北海道京極町の農場で、特定技能のミャンマー人労働者が暴力やハラスメントを受けたと訴えている
- 共同通信は問題となっている農場について、農業法人「MTアグリ」が運営すると実名で報道
- 札幌地域労働組合によると、保護されたのはミャンマー国籍の男女6人
- 札幌出入国在留管理局が農場への調査を進めていると報じられている
- 8月24日、ミャンマー国籍の男性が京極町議とその次男を傷害・暴行の疑いで刑事告訴
- 同じ住所に所在する「有限会社M&Tアグリシステム」は2022年3月に行政処分を受けている
- 2022年の処分内容は厚生労働省の一次資料で確認できる
※2026年の暴力・ハラスメントに関する内容は、現時点では労働者側の訴えや関係者への取材などをもとに報じられているものです。刑事告訴されたことは、告訴された人物による行為が事実として確定したことを意味するものではありません。
【追記:2026年8月26日】
本件ではその後、複数の続報が出ています。
共同通信は問題となっている農場について農業法人「MTアグリ」が運営すると法人名を挙げて報道しました。
また、保護された特定技能のミャンマー人労働者は当初報じられた女性4人だけではなく、男女合わせて6人とされています。
さらに8月24日には、この農場で働いていたミャンマー国籍の男性が、農業法人を実質的に運営しているとされる京極町議会議員とその次男について刑事告訴したことが報じられました。
本記事もこれらの続報を反映して内容を更新しています。
- 北海道京極町の農業法人で何があった?
- 北海道京極町はどこ?
- 北海道京極町の農業法人はどこ?「MTアグリ」と実名報道
- 2026年7月|ミャンマー人労働者が農場を離れ保護される
- 2026年8月|札幌入管が農場を調査
- 【続報】ミャンマー人男性が京極町議と次男を刑事告訴
- 農場では現在も約20人のミャンマー人が勤務か
- 報道に登場する「2022年3月の行政処分」とは?
- 2022年に行政処分を受けたのは「有限会社M&Tアグリシステム」
- 2022年は「技能実習」・2026年は「特定技能」
- 【時系列】2022年の行政処分から2026年8月の刑事告訴まで
- 現在分かっていること・まだ分かっていないこと
- 北海道京極町の農業法人をめぐる疑問
- まとめ|京極町の農場は「MTアグリ」と報道、町議らへの刑事告訴も
北海道京極町の農業法人で何があった?
問題となっているのは、北海道虻田郡京極町にある農場です。
2026年8月20日の毎日新聞報道によると、在留資格「特定技能」で働いていたミャンマー国籍の女性たちが、職場で暴力やハラスメントを受けたと訴えていることが明らかになりました。
その後、札幌地域労働組合への取材などをもとにした報道によって、保護された労働者がミャンマー国籍の10~30代の男女6人であることも伝えられています。
労働者側は、
- 日本語を理解できなかった際に手や道具でたたかれた
- 怒鳴られたり威圧的な言葉を受けたりした
- 女性が身体を触られるなどのセクハラを受けた
- 帰国を強制するような趣旨の発言を受けた
などと訴えていると報じられています。
ただし、これらは現時点では労働者側の証言・主張などをもとに報じられている内容です。
行政機関や司法によって、個々の行為について最終的な事実認定が示された段階ではありません。
北海道京極町はどこ?
京極町は北海道の後志地方に位置する町です。
羊蹄山の東側にあり、ジャガイモなどの農業も盛んな地域です。
※地図は京極町全体の位置を示したものです。
北海道京極町の農業法人はどこ?「MTアグリ」と実名報道
今回の問題を受けて、
- 京極町のどこの農場なのか
- 農業法人の名前は何なのか
- 過去に行政処分を受けた会社との関係はあるのか
と気になった方も多いのではないでしょうか。
本記事を最初に作成した2026年8月20日時点では、毎日新聞は問題となっている農業法人の名称を公表していませんでした。
そのため当サイトでも、公開情報を組み合わせて法人名を推測・断定することは控えていました。
しかし、その後の報道で状況が変わりました。
共同通信は8月21日、ミャンマー国籍の男女6人について、「農業法人『MTアグリ』が運営する農場で働き始めた」と法人名を明記して報じています。
したがって、本記事でも当サイト独自の推測ではなく、報道機関が実名を明示した事実をもとに「MTアグリ」の名称を掲載します。
【法人名の掲載について】
「MTアグリ」という名称は、当サイトが所在地などから独自に法人を特定したものではありません。
2026年8月21日付の共同通信が、問題となっている農場について農業法人「MTアグリ」が運営すると実名で報じたことを受けて掲載しています。
なお、法人名が報道されたことと、労働者側が訴えている個々の暴力・ハラスメント行為が事実として認定されることは別の問題です。
2026年7月|ミャンマー人労働者が農場を離れ保護される
労働者が農場を離れる動きが起きたのは2026年7月です。
当初の毎日新聞報道では、札幌地域労働組合がミャンマー国籍の女性4人を保護したと伝えられていました。
その後の共同通信や北海道文化放送などの報道では、最終的に保護されたのは10~30代のミャンマー国籍の男女6人とされています。
6人は2026年5月から7月にかけ、特定技能の在留資格で農場で働き始めたとされています。
札幌地域労働組合は、労働者から暴力やセクハラなどについて相談を受け、保護や支援を進めています。
2026年8月|札幌入管が農場を調査
毎日新聞は2026年8月20日、札幌出入国在留管理局が問題となっている農業法人への調査に着手した模様だと報じました。
また、その後の報道では、8月19日に札幌出入国在留管理局が農場を調査したと伝えられています。
特定技能外国人を受け入れる企業には、適切な雇用契約や外国人への支援などが求められています。
今後、入管による調査でどのような事実が確認され、行政上の対応が行われるのかが注目されます。
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【続報】ミャンマー人男性が京極町議と次男を刑事告訴
さらに本件は、行政機関による調査だけでなく刑事手続きにも動きました。
2026年8月24日、農場で働いていたミャンマー国籍の男性が、京極町議会議員の男性とその次男について、傷害・暴行の疑いで倶知安警察署に刑事告訴したことがHBC北海道放送やUHB北海道文化放送などによって報じられました。
報道によると、男性側は、
- 7月5日に金属製の除草用具でたたかれてけがをした
- 7月6日には平手打ちなどの暴行を受けた
と訴えています。
HBCは男性の弁護士への取材をもとに、告訴された親子について、農業法人を「実質的に運営しているとみられる」と報じています。
一方、今回の刑事告訴によって、暴行や傷害の事実が確定したわけではありません。
【刑事告訴について】
刑事告訴とは、犯罪の被害を受けたとする側などが捜査機関に犯罪事実を申告し、処罰を求める手続きです。
告訴状が提出されたこと自体は、告訴された人物が犯罪を行ったことや有罪であることを意味しません。
今後、警察による捜査などを通じて事実関係が確認されることになります。
農場では現在も約20人のミャンマー人が勤務か
UHB北海道文化放送は8月24日、問題となっている農場では現在も20人ほどのミャンマー人が働いていると報じています。
そのうち一部の労働者も暴行などを受けたと訴えているとされ、札幌地域労働組合では、ほかのケースについても刑事告訴を行うか検討していると報じられています。
今回刑事告訴された男性のケースだけで終わるのか、それとも新たな告訴や被害申告が行われるのかも今後の焦点となります。
報道に登場する「2022年3月の行政処分」とは?
今回の問題を考えるうえで、もう一つ重要なのが2022年に行われた行政処分です。
毎日新聞や共同通信は、今回問題となっている農場と同じ住所にある別の農業法人が2022年、技能実習生の人権を侵害したとして行政処分を受けていたと報じています。
この行政処分については、報道だけではなく厚生労働省が公開している一次資料から直接確認できます。
厚生労働省が2022年3月25日に行政処分を公表
厚生労働省は2022年3月25日、「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」と題した資料を公表しています。
→ 厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」(2022年3月25日)
公表資料には、技能実習計画の認定を取り消された実習実施者の名称、所在地、処分理由などが掲載されています。
2022年に行政処分を受けたのは「有限会社M&Tアグリシステム」
厚生労働省が公開している別紙を確認すると、北海道虻田郡京極町の事業者として、
有限会社M&Tアグリシステム
の名称が掲載されています。
資料に記載された所在地は、
北海道虻田郡京極町字三崎56番地
です。
また、厚生労働省資料では、同社について11件の技能実習計画の認定を2022年3月25日付で取り消したことが確認できます。
処分理由は、
「技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行ったこと」
とされています。
→ 厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等」別紙1~13(PDF)
【重要】MTアグリと2022年の行政処分について
2022年に技能実習計画の認定を取り消された法人として厚生労働省資料に掲載されているのは、有限会社M&Tアグリシステムです。
一方、2026年の今回の農場について共同通信が実名で報じている法人はMTアグリです。
両者は名称が似ていますが、法人として同一ではありません。
また、2022年の行政処分が、そのまま2026年のMTアグリに対する行政処分を意味するものでもありません。
本記事では両者を区別して掲載しています。
2022年は「技能実習」・2026年は「特定技能」
もう一つ区別しておきたいのが、外国人が日本で働くための在留資格です。
2022年の有限会社M&Tアグリシステムに対する行政処分で問題となったのは、「技能実習」です。
一方、2026年に保護され、暴力やハラスメントを訴えているミャンマー国籍の男女は、在留資格「特定技能」で働いていたとされています。
技能実習制度は、開発途上国などへの技能移転を目的として運用されてきた制度です。
これに対して特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で一定の技能を持つ外国人材を受け入れることを目的として、2019年4月から始まった制度です。
したがって、
2022年=技能実習をめぐる行政処分
2026年=特定技能外国人をめぐる新たな問題
として分けて考える必要があります。
【時系列】2022年の行政処分から2026年8月の刑事告訴まで
| 時期 | 確認・報道された内容 |
|---|---|
| 2022年3月25日 | 厚生労働省などが、有限会社M&Tアグリシステムの技能実習計画11件の認定を取り消す行政処分を実施。理由は「技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行ったこと」。 |
| 2026年5~7月 | ミャンマー国籍の特定技能外国人が、京極町の農場で順次働き始めたとされる。 |
| 2026年7月 | 農場で働いていたミャンマー国籍の労働者が現場を離れ、札幌地域労働組合などの支援を受ける。 |
| 2026年8月19日 | 札幌出入国在留管理局が農場を調査したと報じられる。 |
| 2026年8月20日 | 毎日新聞が、特定技能のミャンマー人女性らによる暴力・ハラスメントの訴えや入管の調査について報道。この時点では農業法人名を明示せず。 |
| 2026年8月21日 | 共同通信が、保護されたのはミャンマー国籍の男女6人と報道。問題となっている農場について、農業法人「MTアグリ」が運営すると法人名を明示。 |
| 2026年8月24日 | ミャンマー国籍の男性が、京極町議会議員とその次男について傷害・暴行の疑いで倶知安警察署に刑事告訴したとHBC・UHBなどが報道。 |
| 2026年8月26日時点 | 警察や入管などによる事実関係の確認が続く。刑事告訴された内容について司法判断が確定した段階ではない。 |
現在分かっていること・まだ分かっていないこと
今回の問題では、すでに公的資料で確認できる事実と、労働者側が訴えている内容を分けて見る必要があります。
公的資料・報道から確認できること
- 2022年3月25日、有限会社M&Tアグリシステムが技能実習計画の認定取消し処分を受けたこと
- 同社の所在地が北海道虻田郡京極町字三崎56番地と厚生労働省資料に記載されていること
- 処分理由が「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」と公表されていること
- 2026年、京極町の農場で働いていた特定技能のミャンマー人労働者から暴力やハラスメントの訴えが出ていること
- 札幌地域労働組合がミャンマー国籍の男女6人を保護したと報じられていること
- 共同通信が農場を運営する法人について「MTアグリ」と報じていること
- 札幌出入国在留管理局が調査を進めていると報じられていること
- 8月24日、ミャンマー国籍の男性が町議とその次男について刑事告訴したと報じられていること
現時点では確定していないこと
- ミャンマー人労働者が訴えている個々の暴力・ハラスメント行為についての最終的な事実認定
- 刑事告訴された内容について警察の捜査がどのような結論になるのか
- 入管による調査の最終結果
- 2026年の問題について行政処分が行われるのか
- ほかの労働者について新たな刑事告訴が行われるのか
北海道京極町の農業法人をめぐる疑問
Q. 今回報道された京極町の農業法人はどこですか?
2026年8月20日の毎日新聞報道では農業法人名は明らかにされていませんでした。
しかし、8月21日の共同通信は、問題となっている農場について農業法人「MTアグリ」が運営すると法人名を明記して報じています。
そのため本記事でも、報道で明らかにされた法人名として掲載しています。
Q. 保護されたミャンマー人は何人ですか?
初期の報道ではミャンマー国籍の女性4人について詳しく報じられていました。
その後、札幌地域労働組合への取材などから、保護された特定技能労働者は10~30代の男女6人と報じられています。
Q. 京極町議が刑事告訴されたのですか?
HBC北海道放送などは2026年8月24日、ミャンマー国籍の男性が京極町議会議員とその次男について、傷害・暴行の疑いで刑事告訴したと報じています。
ただし、刑事告訴は有罪判決や犯罪事実の確定を意味するものではありません。
Q. 2022年に行政処分を受けた会社はどこですか?
厚生労働省が公開している一次資料では、有限会社M&Tアグリシステムと確認できます。
所在地は北海道虻田郡京極町字三崎56番地で、技能実習計画11件の認定が取り消されています。
Q. MTアグリとM&Tアグリシステムは同じ会社ですか?
法人名が異なるため、同一法人ではありません。
2022年に行政処分を受けたのは有限会社M&Tアグリシステムで、2026年の農場について共同通信が報じている法人名はMTアグリです。
本記事では、2022年の行政処分と2026年に報じられている問題を分けて扱っています。
Q. 「技能実習」と「特定技能」は同じ制度ですか?
同じ制度ではありません。
2022年の行政処分で問題となったのは「技能実習」で、2026年に暴力やハラスメントを訴えているミャンマー人労働者は「特定技能」で働いていたと報じられています。
まとめ|京極町の農場は「MTアグリ」と報道、町議らへの刑事告訴も
北海道京極町の農場で、在留資格「特定技能」で働いていたミャンマー国籍の労働者が、暴力やハラスメントを受けたと訴えている問題が相次いで報じられています。
本記事公開当初の2026年8月20日時点では農業法人名が明らかにされていませんでしたが、その後、共同通信が問題となっている農場について農業法人「MTアグリ」が運営すると実名で報じました。
札幌地域労働組合によると、保護されたミャンマー国籍の特定技能労働者は男女6人とされています。
さらに8月24日には、ミャンマー国籍の男性が京極町議会議員とその次男について傷害・暴行の疑いで刑事告訴したことも報じられました。
一方、同じ住所に所在する有限会社M&Tアグリシステムについては、2022年3月25日、厚生労働省などが「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」を理由として技能実習計画11件の認定を取り消していたことが一次資料から確認できます。
ただし、2022年の行政処分と2026年に新たに報じられている問題は別の事案です。
また、2026年の暴力・ハラスメントに関する訴えや刑事告訴については、現時点で司法による最終的な判断が示されたものではありません。
今後は、警察による捜査、札幌出入国在留管理局による調査結果、農業法人側からの説明、さらにほかの労働者による刑事告訴の有無などが注目されます。
新たな公的発表や報道が確認された場合には、本記事でも情報を更新します。
※本記事について
本記事は2026年8月26日時点の報道および行政機関が公開している資料をもとに、確認できる情報を時系列で整理したものです。労働者側が訴えている暴力・ハラスメントなどについて、特定の法人・個人による行為を事実として断定するものではありません。刑事告訴されたことも、有罪や犯罪事実の確定を意味するものではありません。また、2022年に行政処分を受けた有限会社M&Tアグリシステムと、2026年に報道されているMTアグリを同一法人として扱うものではありません。
参考資料
- 毎日新聞「『特定技能』外国人への暴力常態化か 入管、北海道の農場を調査」(2026年8月20日)
- 共同通信「特定技能外国人を虐待か 北海道の農場、6人保護」(2026年8月21日)
- HBC北海道放送「農業法人で働く特定技能外国人のミャンマー人男性 暴行受けたなどとして実質的運営者とみられる町議らを刑事告訴」(2026年8月24日)
- UHB北海道文化放送「農場関係者ら2人を告訴」(2026年8月24日)
- 厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等を行いました」(2022年3月25日)
- 厚生労働省「技能実習法に基づく行政処分等」別紙1~13
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」




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