2026年8月13日早朝、熊本県天草市御所浦町の竹島沖で、遊漁船「久栄丸」が岩礁に乗り揚げる事故が発生しました。
久栄丸には乗組員3人と乗客10人の合わせて13人が乗船しており、事故後、全員が病院に搬送されています。
その後の報道で、久栄丸は前日の12日夕方に三角東港を出港し、鹿児島県阿久根市沖でイカ釣りをしたあと、帰港する途中だったことが分かってきました。
事故が起きたのは午前5時ごろ。場所は「竹島の北側約500メートル」と報じられています。
では、出港した三角東港、釣りをしていた阿久根沖、そして事故現場となった竹島は、実際にどのような位置関係にあるのでしょうか。
地図で確認してみると、今回の釣行がかなり広い海域に及んでいたことが分かります。
さらに竹島北側の海底地形を確認すると、気になる場所もありました。
久栄丸の座礁事故はどこで起きた?
熊本海上保安部によると、事故が起きたのは8月13日午前5時ごろです。
上天草市の遊漁船「久栄丸」から、「岩礁に当たりました。けが人が多数出ています」と第十管区海上保安本部に通報がありました。
事故現場は、熊本県天草市御所浦町にある竹島の北側です。
その後の報道では、より具体的に「竹島の北側約500メートル」と伝えられています。
まず竹島そのものの位置をGoogleマップで確認します。
竹島は御所浦島の北側に位置する小さな島です。
久栄丸はどこから出港した?三角東港の位置
久栄丸の通常の出港場所は、熊本県宇城市の三角東港です。
久栄丸の公式サイトでも「JR三角駅近くの三角港より出港」と案内されており、駅前に三角東港があることが記載されています。
今回の事故についても、報道では12日夕方に三角東港を出港したとされています。
釣り場は鹿児島県阿久根市沖 かなり南まで移動していた
事故発生直後の報道では釣り場までは明らかになっていませんでしたが、その後、久栄丸は鹿児島県阿久根市沖でイカ釣りをしていたことが報じられました。
ここで三角東港、竹島、阿久根沖を一枚の地図に置いてみます。
上側の赤い地点が三角東港、中間が事故現場のある竹島、南側の赤い囲みが阿久根沖のおおよその位置です。
ここで注意したいのは、地図上の3地点を航路として線で結んでいないことです。
出港地、釣り場、事故海域については報道などから確認できますが、久栄丸が実際にどの島の間を通り、どのルートで阿久根沖まで往復していたのかは、現時点では明らかになっていません。
阿久根沖では何を釣っていた?久栄丸は夏にアカイカ釣りを実施
報道では、今回の久栄丸は阿久根市沖でイカ釣りをしていたとされています。
久栄丸の公式サイトを確認すると、2026年7月には「アカイカ(夜焚き)」での出船記録が複数掲載されています。
7月18~19日、19~20日、20~21日、22~23日、24~25日など、夜間にまたがる釣行が続いていました。
今回の釣行についても12日夕方に三角東港を出港し、翌13日午前5時ごろに帰港途中で事故が起きています。
夜間のイカ釣りを終え、夜明け前から早朝にかけて北へ戻っていた状況だったことになります。
三角東港と竹島はどのような位置関係?
次の地図は、三角東港と竹島だけに絞って位置関係を確認したものです。
北側の赤丸が三角東港、南側の赤丸が竹島です。
地図を見ると、両地点の間には上天草の島々が広がっています。
ただし、この地図だけから久栄丸がどの海域を実際に通過したのかを特定することはできません。
今回確認できるのは、阿久根沖から三角東港へ帰る途中、竹島北側で事故が起きたというところまでです。
事故現場は竹島の北側約500m 周辺の海底地形を確認
ここから、事故現場周辺をもう少し詳しく見てみます。
報道されている事故位置は「竹島の北側約500メートル」です。
そこで竹島周辺の海底地形を調べてみると、島の北側には興味深い場所があることが分かりました。
HONDEXのWeb海図では、竹島の北側に「鵜ノ瀬」と記された場所があります。
周辺の水深を見ると、30~40メートル台の海域が広がっている一方、鵜ノ瀬付近では等深線が複雑に入り組んでいます。海底が周囲から大きく盛り上がり、浅くなっている地形であることが読み取れます。
報道されている事故現場も「竹島の北側約500メートルの岩礁」です。
位置関係としては非常に気になるところですが、久栄丸が乗り揚げた岩礁が鵜ノ瀬だったとする発表は、現時点では確認できていません。
そのため、事故現場と鵜ノ瀬を同一地点と断定することはできません。
ただ、報道された「竹島北側」の海域には、海図上で名称が付けられた特徴的な浅瀬が存在することは確認できます。
今後、海上保安部から事故地点の詳細が明らかになれば、この海底地形との位置関係も見えてくるかもしれません。
参考:HONDEX「Web海図」
事故当時の天候や波は?海保は大潮にも言及
事故当時の海上は晴れで、南東の風は1メートル。波のうねりなどもなかったとみられています。
一方、この日は天草市有明町の竹島付近でも別のプレジャーボートが乗り揚げる事故が発生しました。
熊本海上保安部は、大潮の影響によって普段見えている岩場などが見えにくくなっている可能性にも言及しています。
ただし、久栄丸の事故原因については現在調査中です。
大潮と今回の座礁事故との直接的な因果関係が明らかになったわけではありません。
なぜ久栄丸は竹島北側を通っていたのか
今回、私が地図を確認していて最も気になったのはここです。
久栄丸は三角東港を出港し、阿久根市沖でイカ釣りをしたあと、帰港する途中で竹島北側の岩礁に乗り揚げました。
しかし、阿久根沖から三角東港へ帰る際、竹島北側を通るのが久栄丸にとって普段からのルートだったのかについては、現時点では分かっていません。
釣り場や潮、海況などによって複数の帰港ルートを使い分けていたのでしょうか。
それとも阿久根方面へ出た際には、普段から竹島付近を通っていたのでしょうか。
あるいは、今回は何らかの事情によって通常とは異なるルートを選択していたのでしょうか。
これは事故原因を考えるうえでも気になる点ですが、現段階で推測することはできません。
今後、海上保安部の調査によって航跡や当時の航行状況などが明らかになれば、今回なぜ竹島北側を航行していたのかも見えてくる可能性があります。
久栄丸は普段どこで釣りをしている?公開情報との違いも
久栄丸について公開されている遊漁船情報を見ると、釣り場として「湯島・島原方面・上天草方面」が紹介されています。
一方、今回の釣行先として報じられたのは、さらに南に位置する鹿児島県阿久根市沖でした。
もちろん、遊漁船の釣り場は対象魚や季節、海況などによって変わります。この情報だけで阿久根方面への出船が珍しかったと判断することはできません。
ただ、今回の事故を考えるうえでは、久栄丸がこれまでどの程度阿久根方面へ出船していたのかも気になるところです。
この点についても、確認できる情報が出てきた場合には追記したいと思います。
久栄丸の事故で現時点までに分かっていること
今回の事故について、現時点までに確認できた位置関係を整理します。
- 久栄丸は8月12日夕方、三角東港を出港
- 鹿児島県阿久根市沖でイカ釣りを実施
- 釣りを終えて三角方面へ帰港する途中だった
- 8月13日午前5時ごろ事故が発生
- 事故現場は天草市御所浦町・竹島の北側約500メートル
- 岩礁に乗り揚げたと報じられている
- 竹島北側の海底地形図には「鵜ノ瀬」と呼ばれる浅瀬が確認できる
- ただし事故岩礁が鵜ノ瀬だったとの発表は確認されていない
- 事故原因については熊本海上保安部などが調べている
今後の焦点は「いつもの航路だったのか」
今回、出港地、釣り場、事故が起きた島、そして事故海域までを地図で追ってみました。
場所についてはかなり具体的になってきましたが、まだ大きな疑問が残っています。
阿久根沖から帰港する久栄丸にとって、竹島北側はいつも通る海域だったのでしょうか。
もし普段から通っていたのであれば、なぜ今回事故が起きたのか。
反対に普段とは違うルートだったのであれば、なぜそのルートを選択したのか。
現時点では、その答えは明らかになっていません。
海上保安部による事故原因の調査や航行状況について新たな情報が発表された場合、本記事でも追記していきます。





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