東京都国立市において完成し引き渡し間近のマンションを解体するという衝撃のニュースが日本中を駆け巡りました。
このニュースとなったマンションの名前は「グランメゾン国立富士見通り」。
富士山の景観を損ねるといった理由です。
富士見通りに対してマンションがどのように富士山の景観を阻害してたのかをGoogle Earth で検証してみます。
同時にGoogle Mapやストリートビューにおいてどのような扱いを受けているのかを調べてみました。
グランメゾン国立富士見通りの位置関係
国立駅南口から南西に真っすぐ伸びた通りが富士見通り。その名の通り、富士山が眺望できる国立市の景観上で重要な道路と位置付けられています。
その富士見通りの入り口から約700m付近にグランメゾン国立富士見通りがあります。
赤丸の場所がグランメゾン国立富士見通です。
おや、通りの反対側にも10階建てのマンションがありますね。
このマンションは大丈夫?については後述します。
グランメゾン国立富士見通りがどのように富士山眺望を邪魔していたか?
国立駅から富士山方向を俯瞰してみてみます。
真中の通りが富士見通。
真っすぐに富士山に向かっているように見えますが、やや富士山の左寄りに向かっています。
グランメゾン国立富士見通りの富士山景観問題を検証
黄色い線は富士見通り。赤い点線は富士山への視線方向。
黄色い四角い線がグランメゾン国立富士見通り。
赤い点線が黄色い箱と重なっていることがわかります。
クラッシィハウス国立は富士山景観について問題なし?
一方、グランメゾン国立富士見通りの反対側には10階建てのマンション「クラッシィハウス国立」が建っています。
画像をご覧いただきましたらお分かりのように、富士見通りの視線(黄色)とクラッシィハウス国立は重なっていません。そのためグランメゾン国立富士見通りのような問題が明るみにならなかったのでしょう。
日照権についてはどうだったのでしょうね?それ以外にも国立市にはクリアすべきことは法令上問題が無くても関係者と協議しなければなりません。想像以上に大変なプロセスを経て引き渡しまでこぎつけたことが容易に想像できます。
富士山の眺望を邪魔する グランメゾン国立富士見通り の画像
富士山の眺望を邪魔しているグランメゾン国立富士見通りの様子は、リンク先の朝日新聞WEB版からも見ることができます。
その記事に貼っている視聴者提供の画像の撮影場所。
ストリートビューではこちらの位置です。
撮影場所から現地までは距離があります。
画像の雰囲気からも望遠レンズで撮影したことがわかりますよね。
ストリートビューの画像では富士山を見ることはできません。
突き当りの郵政研究所までビューを進めて見ましたが富士山は確認できませんでした。
日差しと気象条件の兼ね合いですね。
しかし気象条件が合えば富士山が綺麗に見えるこの通り。
そこにマンションが大きく重なる・・・・これは確かに大きな問題でしたね。
Google Map の グランメゾン国立富士見通りはどうなっている?
東京都国立市の完成間近のマンションが解体となったこのニュースですが、件のグランメゾン国立富士見通り のGoogle Mapにおける物件の形状を見てみましょう。
Google Mapで「グランメゾン国立富士見通り」と入力してもこのようにブランクになってしまいます。
↓
まだGoogle Mapで「グランメゾン国立富士見通り」と入力をして検索できた時の画像。Map上に「グランメゾン国立富士見通り」と記載があるのがわかります。そして「グランメゾン国立富士見通り」の物件はこのような形でMap上で表現されています。
(赤線で囲ってみました)
2014年の撮影となりますがGoogle Map の画像。
(この年の画像が一番鮮明でした)
グランメゾン国立富士見通りが建設される以前に存在していた家屋の形と同じとなります。
それにしてもグランメゾン国立富士見通りの前の物件は相当なお屋敷だったことがわかりますよね。
Google Map上から消されてしまった(?)「グランメゾン国立富士見通り」でした。
ストリートビューのグランドメゾン国立富士見通りはどうなっている?
完成間近で解体決定となった「グランドメゾン国立富士見通り」が気になってGoogle Earth のストリートビューを見る人が多い事でしょう。
私も気になるその一人でストリートビューをのぞいてみました。
おや・・・ボカシ?それともPCの通信状態が悪いのでしょうか。
何か所か場所を変えて「グランメゾン国立富士見通り」を見てみましたがボカシが入っていますね。
ストリートビュー、富士山方面の「グランドメゾン国立富士見通り」
先述の通り、Google Earth のストリートビューで グランドメゾン国立富士見通り を見てみますとボカシが入っています。しかしこの画像自体は取得が2009年8月となっており過去の画像がUPされた状態です。
つまり グランドメゾン国立富士見通り に対してボカシが入っているのではなく以前存在した物件にボカシを入れています。
恐らくこの敷地の屋敷内の門扉と樹木にボカシが入っていると思われます。
ストリートビュー、国立駅方面の画像の「グランドメゾン国立富士見通」
富士山方向と同様に国立駅方面を見たグランドメゾン国立富士見通りにもボカシが入っています。
こちらも2009年8月取得の画像。
画像右端をよく見ますと、現在道路反対側に存在する「クラッシィハウス国立」(2014年完成)がまだ建設されておらず、道路沿いに覆いとなる壁が設置されています。
相当長い間アップデートがされていないのか、それともこの通りのこの付近だけ画像が差し替えられたのか・・・?私は後者だと考えます。
少し離れた場所から。樹木のようなものにボカシが入っています。この地点でも2009年の画像を使用しています。↓
更に離れた場所から。やはり2009年9月使用撮影の画像を使用しています。↓
さらにさらに離れた場所でようやく2023年9月使用撮影の画像を使用しています。↓
左の赤い丸は グランドメゾン国立富士見通りの工事中に鉄骨を積み上げるためのクレーンだと思われます。右の赤い丸は 完成した後のクラッシィハウス国立 です。
やはり 富士見通の一部(グランドメゾン国立富士見通りを中心とした一部区間)の画像は意図的にグランドメゾン国立富士見通りが写り込まないように着工前の画像と差し替えられていました。
ストリートビューからも存在が無きものとなってしまっていた「グランメゾン国立富士見通り」でした。
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引き渡し直前に解体決定の国立のマンション、富士山景観の検証とGoogle表示についてのまとめ
引き渡し直前で解体決定となって全国的に有名となってしまった積水ハウスの「グランメゾン国立富士見通り」。富士見通りからの富士山眺望を思いのほか阻害していたことがわかりました。
そして存在自体抹消となる「グランメゾン国立富士見通り」はGoogleMap上からは名称が消されてしまい、ストリートビューでは近隣画像が過去画像に差し替えられていました。
Google側の配慮やアップデートのよるものなのか?それとも積水ハウス側からの申請によるものなのか?
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