静岡県裾野市にトヨタ自動車がつくった実証都市「Toyota Woven City(ウーブン・シティ)」で、一般の静岡県民を対象とした住民募集が始まりました。
募集されるのは25世帯程度。2027年3月から約2年間、実際にWoven Cityで生活しながら、街で行われるさまざまな実証に参加します。
これまでWoven Cityというと、トヨタ関係者や実証に参加する企業などが利用する「未来都市」という印象がありました。
しかし今回の募集では、条件を満たす一般の静岡県民も応募できます。
そこで気になるのが、実際に住む場合の家賃や間取り、現在は何人が暮らしているのか、そして今回の25世帯はWoven City全体のどの程度にあたるのかという点です。
GoogleマップとGoogle Earthで現在の街の様子も確認しながら、公開されている情報を整理しました。
ウーブン・シティに一般人も住めるようになった
今回募集されるのは、Woven Cityで生活しながら実証に参加する「Weavers(ウィーバーズ)」と呼ばれる住民です。
募集期間は2026年8月5日午後1時から8月19日午後1時まで。
今回の募集では、2026年8月5日時点で応募代表者が静岡県内に住民票を持っていることが条件となっています。
募集世帯数は25世帯程度です。
つまり「トヨタ社員でなければ住めない」という募集ではありません。条件を満たした静岡県民であれば応募できます。
ただし、一般的な賃貸住宅とは少し性格が異なります。
Woven Cityは、実際の生活環境の中で新しい製品やサービスを試す「実証実験の街」です。住民は生活しながらプロダクトやサービスを体験し、フィードバックを行う役割も担います。
家賃はいくら?間取りは1Rから大型住戸まで
今回の募集では、家賃とおおよその部屋の広さも公表されています。
| 間取り | 居住人数の目安 | 賃料 | 広さ |
|---|---|---|---|
| 1R・1K・1LK | 1人 | 約5~10万円 | 約20~35㎡ |
| 1LDK | 2人 | 約10~11万円 | 約40~45㎡ |
| 2LDK・3LDK | 3人以上 | 約16~22万円 | 約75~130㎡ |
| 大型タイプ | 3人以上 | 約24~28万円 | 約140~180㎡ |
かなり幅があります。
単身者向けとみられる20㎡台の住戸から、最大約180㎡という大型住戸まで用意されています。
ただし、希望した間取りにそのまま入居できるとは限りません。
公式サイトでは、応募者の希望だけでなく、住居内外で行われる実証など複数の要素を組み合わせて間取りを提案するとしています。
具体的な間取りと賃料については、2026年10月に予定されている「間取りのご提示会」で説明されます。
入居期間は2027年3月から2年間
今回選ばれた住民の実証参加期間は、2027年3月から2029年2月末までの約2年間です。
契約は定期建物賃貸借契約となるため、一般的な賃貸マンションのように長期間住み続ける住宅とは少し異なります。
Woven Cityという実証環境に一定期間参加し、その中で実際に生活する住宅と考えると分かりやすそうです。
ウーブン・シティはどこにある?
Woven Cityの所在地は静岡県裾野市御宿1117番地です。
かつてトヨタ自動車東日本の東富士工場があった場所につくられました。
東日本の広域地図で確認したToyota Woven Cityの位置。富士山の南東側、静岡県裾野市にある
広域地図で見ると、東京から西へ、富士山の南東側に位置していることが分かります。
Google Earthで周辺を立体表示すると、Woven Cityと富士山との位置関係もより分かりやすくなります。
Google Earthで確認したToyota Woven Cityと富士山の位置関係
富士山の麓につくられた街であることが、3D表示ではより直感的に分かります。
現在のウーブン・シティには約100人が生活
今回の25世帯が、Woven Cityで暮らす最初の住民というわけではありません。
Woven Cityでは2025年9月からPhase 1で実証が始まり、トヨタやWoven by Toyotaの関係者、その家族などから段階的に入居が進められてきました。
2026年4月にトヨタとWoven by Toyotaが公表した資料では、Phase 1にはWeavers(住民)約100人が居住しているとされています。
つまりWoven Cityは、「これから人が住み始める建設中の街」ではありません。
一部ではすでに実際の生活が始まり、その生活環境そのものを使った実証が行われています。
Phase 1は現在どこまでできている?
Googleマップの航空写真で敷地を見ると、Woven Cityの現在の様子が分かります。
Googleマップ航空写真で確認したToyota Woven City。黄色線は敷地のおおよその範囲を示したもの
南東側にはすでに多数の建物が完成している一方、その北西側では大規模な工事が続いています。
現在、実際に住民が生活しているのがPhase 1です。
Woven City公式サイトによると、Phase 1の敷地面積は約4万7000㎡。
住居のほか、オフィス、店舗、飲食店、広場、駐車場、道路、信号などが設けられています。
Phase 1では住民を段階的に増やし、最終的に約300人が暮らす計画です。
どの建物に住んでいる?現地案内図とGoogle Earthを照合
では、Phase 1のどの建物が住宅なのでしょうか。
現地を訪れた人がXに投稿した動画には、Woven City内に設置された「Area Map」が映っています。
この案内図には、それぞれの建物に「1B」「2B」「3B」などの番号が付けられています。
そこで現地案内図とGoogle Earthの3D表示を照合し、建物番号を整理しました。
現地のArea MapとGoogle Earthを照合して確認したToyota Woven City Phase 1の建物番号
現地案内図から用途まで確認できるのは、少なくとも次の施設です。
- 3A:Office
- 2A:Woven Welcome Center
- 0C:Kakezan Invention Hub
その内側には、1B~1D、2B~2D、3B~3Dの建物がまとまって配置されています。
Google Earthで見ると、中層集合住宅を思わせる外観の建物が並んでいます。
ただし、公開されている資料では各建物について「この棟が住宅」と棟単位で用途を確認できていません。
そのため、本記事では外観だけを根拠に、これらすべてを住宅棟とは断定しません。
今回募集される25世帯が具体的にどの棟へ入居するのかについても、現時点では公表されていません。
25世帯は「何世帯分の25」なのか?
今回のニュースを見て、もう一つ気になったのがこの点です。
Phase 1では最終的に約300人が暮らす計画ですが、住宅が全部で何戸あるのか、さらに1R、1LDK、2LDK、3LDKがそれぞれ何戸あるのかという住戸構成は、公開情報では確認できませんでした。
そのため、今回募集される25世帯がPhase 1の一般向け住戸全体の何%にあたるのかは分かりません。
現在約100人が生活していること、そして今回新たに25世帯程度を募集することまでは分かっていますが、その先に何世帯ずつ住民を増やしていくのかについても具体的な計画は公表されていません。
「25世帯」という数字だけを見るよりも、Woven Cityが住民を少しずつ増やしながら実証を拡大している途中と見るのがよさそうです。
Phase 2ではどこまで広がる?Phase 1との位置関係を確認
Woven CityはPhase 1だけで完成する街ではありません。
現在は、すでに建物が並び住民の生活が始まっているPhase 1に隣接して、Phase 2の整備も進められています。
Googleマップの航空写真にPhase 1とPhase 2のおおよその範囲を重ねると、2つのエリアの位置関係が分かります。

Googleマップ航空写真で確認したToyota Woven City。黄色線がPhase 1、水色線がPhase 2のおおよその範囲
画像右側の黄色で囲ったエリアがPhase 1、左側の水色で囲ったエリアがPhase 2です。
Phase 1ではすでに建物群が完成し、約100人が生活しています。一方、Phase 2側では広い範囲で造成や工事が進んでいる様子を確認できます。
Woven City公式サイトによると、Phase 1の敷地面積は約4万7000㎡、Phase 2は約5万2000㎡です。
Phase 2も、実際の生活環境の中で新しい製品やサービスを試す実証の場として整備されます。
ただし、Phase 2に住宅が何戸つくられるのか、1Rや1LDK、2LDKなどの住戸タイプがそれぞれ何戸になるのか、一般住民の募集がいつ始まるのかといった詳細は、現時点では公表されていません。
さらにWoven City全体では、Phase 2以降も含め、将来的に約2000人規模まで人口を増やす構想が示されています。
別方向からGoogle Earthで見ると、Phase 1の完成した建物群と、その背後に広がる工事エリアの規模がより分かりやすくなります。
Google Earthで別方向から確認したToyota Woven City。完成したPhase 1の建物群と、その周辺で続く大規模な工事の様子
現在のWoven Cityは、完成したPhase 1だけを見るとすでに一つの街として形になっていますが、その隣では次の段階となるPhase 2の整備が続いています。
静岡県外の人はいつ応募できる?
今回の募集で特に気になるのが、静岡県外に住む人も今後応募できるのかという点です。
2026年8月の募集は、応募代表者が静岡県内に住民票を持つ世帯に限定されています。
一方、Woven Cityは住民について、トヨタや関係者から入居を始め、徐々にさまざまな人にも参加してもらう方針を示しています。
今回の募集ページにも、実証実験のスケジュールなどに応じて都度募集を行う場合があると記載されています。
ただし、次回が全国募集になるのか、静岡県外の人をいつから募集するのかについて、具体的な時期はまだ発表されていません。
今回の静岡県民25世帯の募集は、一般の人がWoven Cityで暮らす機会が本格的に広がっていく最初の段階の一つと考えられます。
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まとめ|ウーブン・シティは「未来の計画」から実際に暮らす街へ
Woven CityではすでにPhase 1で約100人が生活し、実際の暮らしの中でさまざまな実証が行われています。
そして今回、静岡県民を対象に約25世帯の住民募集が始まりました。
家賃は約5万円から大型住戸では約28万円まで。単身者向けから家族向けまで幅広い間取りが用意されています。
一方で、Phase 1全体の住宅戸数、今回の25世帯が入居する具体的な建物、Phase 2の住宅計画、そして静岡県外から応募できる時期など、まだ公表されていない部分も多く残っています。
Woven Cityは、完成した街を一度に開放するのではなく、住民と実証を段階的に増やしながら街そのものを育てている途中です。
今回の25世帯が加わったあと、どのように住民の範囲が広がっていくのか。Phase 2の建設とあわせて今後も注目したいところです。





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