カンボジアで世界最高にして奇跡の蜂蜜を採取して食用の蜂蜜や石鹸として提供している人が緒方ポニィ(緒方陽一)さんです。
緒方ポニィさんがなぜカンボジアに渡り蜂蜜採取やせっけん作りに従事をしているのか。
蜂蜜の採取にはポニィさんが心がけている大事な信条もあります。
そうして採取する世界最高と言ってもよい蜂蜜とは?
緒方ポニィさんの生きざまに似ているあの有名な漫画の登場人物も紹介したいと思います。
そしてポニィさんが部族の人と味わうジャングル飯とは。
それぞれについて紐解いていきます。
緒方ポニィさん、カンボジアに渡って蜂蜜と出会う
緒方ポニィさんは歯科一家に生まれて進学先は歯学部。
しかし幼少から絵が好きで歯学部進学後も絵描きになる夢が捨てきれなかったポニィさん。
在学中にパリで本場の美術に触れたり、日本で個展を開いたり画家への足掛かりを作りました。
その後も個展やイベントやPR関連でアーティストの仕事の幅が広がっていきました。
しかし世界を揺るがす経済変動や天変地異などによりそれらが急速に細りゆく中、親戚からカンボジアでの農業っ関連の仕事の声掛けが。
カンボジアに渡り農業用地の視察をする中で蜂蜜と出会ったポニィさんはこれまでの蜂蜜に対する見方そのものが180度変わったのです。
森に入ることが出来るのは地元部族のみ
カンボジアの蜂蜜が採れる森は地元の部族が管理しています。
部族と一緒でなければ森に入ることができない。
つまり森を管理している部族に帯同を許可をしてもらえないとポニィさんが理想とする森を守ることも蜂蜜の採取によるビジネスも成立しなかったのです。
部族に入山許可を1年以上説得
2011年、部族に許可をもらうためのポニィさんのアタック(入山許可申請)が始まりました。
外資主導の開発により破壊された森が多い中、ポニィさんの提案は森を保ちながら蜂蜜を採取することが大前提。
生きた森そのものが一番の財産で、森の恵みを活かして利益や富を生み出し、森を次代に引き継いでいく。
ポニィさん自身が身をもって経験した「自然本来の素材が持つ力」。それを導いてくれたのはカンボジアの森。これらを壊さないことは部族の故郷と財産を守ることであり、同時に部族の富と幸せにつながります。
ポニィさんから部族への熱い説得は計5回、1年半以上にも及びついに部族から森への入山の許しを得るに至りました。2013年のことです。
日本人として初めてこの大変難解な信頼関係の構築に成功したのです。
部族から信頼を得ることができたことの価値の大きさ
カンボジアの社会問題として、違法な土地売買、国立公園内の森林伐採の横行や田畑の乱開発による生態環境破壊や公衆衛生・・・挙げれば際限がないようです。
搾取されたりすることもあるのでしょう。
いくらポニィさんが情熱的に誠意をもって説得にあたったとはいえ、部族の人々は大いにポニィさんを警戒したことでしょう。
それだけに異国でポニィさんが認められたこと、信頼関係が構築できたということがいかに価値が大きいかtごいうことがわかります。
持続可能なポニィさんの蜂蜜の採り方
ポニィさんはカンボジアの森の持つ力とその魅力にとことん惚れ込んでいます。
必然的に部族を説得した公約通り、森の寿命が縮まるような採取の仕方はしません。
自然を壊さず、蜂も蜂の生活も壊さない必要最小限に留める蜂蜜の採集がポニィさんのスタイルです。
蜂を一網打尽にして殺したり、薬で巣の周辺を破壊したり、一気に巣を丸ごとかすめ取ることはしません。ポニィさんの蜂の巣の採り方は巣全体の3分の1だけの採取に留めるそうです。
こうして巣を残すことで、その巣から新たな女王蜂が生まれて働き蜂を引き連れて新たな蜂の巣を作ります。これを分蜂といいます。
根こそぎ巣を持ち帰ってしまうと当然分蜂は起こりません。
ポニィさんは次の採取を分蜂先で行ないます。
こうして森も蜂も生かした持続可能な蜂蜜の採取に繋がるわけです。
(一部の蜂や幼虫はポニィさんの食材となります)
具体的な巣の採り方の手順としては、①巣を発見したらハーブを使って一時的に蜂を巣から遠ざける ②その隙に大急ぎで蜂蜜を採取 ③採取したらハーブの効果が切れるまでにダッシュでその場を去る・・・という流れです。
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ポニィさんの蜂蜜の収穫時期
実際、ポニィさんはどのように蜂蜜を採取(ハニーハント)するのでしょうか。
カンボジアでは1年間で乾季の雨季に分かれていて、多少の変動があるものの乾季は11~5月、雨季は6月~10月とのことです。
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1年間のうちでもっとも蜂蜜の採取に適しているのが3~6月とのことです。
そのうち植物や果実の糖度が最も増すのが4月で、ポニィさんはその前後2か月だけ森に入って蜂蜜を採取しています。
世界最高の蜂蜜・クメールハニー
普段我々が食しているのは養蜂による西洋蜜蜂が1つの花から集めてくる蜂蜜がベースとなったもの。
ポニィさんが惚れ込んで採取している蜂蜜は、森の中の植物すべてと言っていい程のあらゆる花の蜜や様々な樹液によるまさに野生の蜂蜜。
それだけパワーに満ち溢れている蜂蜜と言っていいでしょう。
採取したばかりの蜂蜜には、不純物が混じっていますが根気よく栄養価を損なわないよう何度もろ過を繰り返します。
こうして世界最高の蜂蜜と言ってもよいクメール・ハニーとなるのです。
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(参考)カンボジアの年間降水量
高温多湿で雨が多くてジトジトしているイメージですが、年間降水量自体はカンボジア(1440㎜)に対して東京は1550㎜と、トータルは東京の方が多いのですね。
カンボジアは雨期に入るとほぼ毎日夕方前に30分間ほどスコールが激しく降るようで、これがカンボジア=雨のイメージにつながっているのでしょうか。
日本の梅雨のように毎日何時間も降ることが無い事が、カンボジアの年間降水量が思ったよりも多くない事に繋がっているのでしょうね。
★シェムリップの年間降水量★
★東京の年間降水量(平年値)★
チャーリー・シーンが出演していた「プラトーン」。
ベトナム戦争を描いた映画で、カンボジアとベトナム国境の森の中が舞台。
森の中を行軍したり敵兵と交戦するのですが、兵士たちがとても過ごしにくそうな雨の中でのシーンが印象的です。
それが私にとってカンボジア=雨=高温多湿のイメージに繋がっていました。
調べてみないと真実はわからないものですね。
緒方ポニィさんはリアル「森の人」(風の谷のナウシカ登場)
緒方ポニィさんの森に対する姿勢や気持ちなど突き詰めていると、ある人(実在の人物ではありませんが)に重なってしまいました。
緒方ポニィさんの検証から少し話題が逸れてしまいますが、紹介させて下さい。
皆さんご存じの「風の谷のナウシカ」に登場する「森の人」というキャラクターです。
まず名前からしてまるでポニィさんそのものです。
記事タイトルに「森の人」を入れたのはこのためです。
映画でナウシカを観た人で「森の人」なんて映画に出ていなかったよ、と思う人は正解です。
「森の人」は映画には登場していない人物だからです。
ではどこで「森の人」を見ることが出来るかと言うと、宮崎駿さん書き下ろしの漫画で見ることができます。
映画「風の谷のナウシカ」は壮大なストーリーでしたが、映画のストーリーはコミックス全7巻で言うと僅か?1~2巻相当なんです。
森の人は3巻以降で登場します。
★森の人★
ナウシカの世界観の中で舞台であいキーとなる「腐海(森)」。
森の人の存在はまるでお伽話の中にでてくるような都市伝説のような存在でした。
森の人とは個人を指すのではなく、森の人という集団です。
代々腐海の真相と謎の解明に取り組んでおり、腐海の尽きる清浄の地にも足を踏み入れることに成功している(しかし生きて帰ってこれていない)。
★「腐海一の剣士」ユパですら言い伝えだと思っていた森の人★
空中で敵と交戦し撃墜されたユパ一行は、そのまま腐海の中に墜落してゆく・・・。
腐海の中で九死に一生を得たユパ達を見つけた森の人はユパ達を介抱した。
腐海一の剣士として腐海に精通したユパですら初めて存在を目の当たりにしたのだった。
★衣の下はこんな美少年★
森の人の一人、少年の名前は「セルム」。
最終話に向けてのナウシカの重要登場人物。
森と共に生きて死のうともしたナウシカの良き理解者となる。
最終的にナウシカは森の真実の1つを知ることになるが、それはナウシカとセルムだけの秘密となった。
★森や蟲と対話して森の中で生きている★
森の開発を良しとせず、森と対話しながら次代の為にも乱獲せず必要最小限の採取を心がけるポニィさんはまるで「リアルな森の人」・・・と思えてしまいました。
ポニィさんは森の神秘が詰まった恵み(蜂蜜)を森から分け与えてもらっているのです。
そして容姿端麗なポニィさんは風貌もまるで「セルム」のようです。
リアル森の人・ポニィさんが森の中でハニーハントをする時のジャングル料理も見てみましょう。
緒方ポニィさんが食したジャングル飯
現地の部族と共に1週間は森に入りっきりで蜂の巣採集をするポニィさん。
身軽が第一。そのため食料は持ち込まず、現地調達でトカゲや蛇、蜂の子や蟻などの昆虫を食べるようです。
同行する先住の現地部族の食生活をしっかり踏襲しつつも、この食事がポニィさんにとって胃腸が一番安定して下痢から縁遠いそうです。
ますます森の人ですね!
様々なジャングル飯がポニィさんのインスタグラムで紹介されています。
★トカゲ★
さすが森はトカゲの楽園!
色も形も様々なトカゲが鍋料理に!!
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★蜂の巣、蜂の子★
蜂の巣に蜂蜜魚醤(うまそう!)を縫って葉っぱにくるんで蒸し焼き!
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★蟻の幼虫★
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★ジャングル闇鍋★
魚、なまず、エビ、カエル、全てぶつ切りでグツグツ煮込むそうです。
まさに森の恵みがつまった鍋!
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緒方ポニィ(緒方陽一)さんの考察を振り返って
緒方ポニィさんの蜂蜜採取への取り組みは、我々人類一人一人が意識すべき地球へのいたわりであります。
ポニィさんの生産活動は、森を守り、地元の部族の生活を守り豊かにすることに繋がっています。
ポニィさんのカンボジアへの貢献活動が日本をはじめとした諸外国のバックアップに繋がり、より永続的かつ本格的な森の保全につながってほしいと思うのでした。
その為にも微力ながらポニィさんの活動に啓蒙つながるよう、情報発信や商品の使用をしていきたいと考えています。
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